庚壇(かのえだん)遺跡

11月第1週
 調査も最終週を迎えました。今週は月・火の二日間のみです。最後に、弥生時代の竪穴住居跡の床面をはがしました。住居が作られたときの状況を調べるためです。すると、住居の壁の外側に当たるところで縄文土器がまとまって見つかりました。

 弥生の住居跡の完掘状況です。中央に見える白い四角い石は、表面に磨いたような痕跡があり石皿の可能性があります。弥生時代に住居を作る前からここにあったものと思われます。どうやら、弥生人が住みつく以前にも、縄文人が何らかの形でここを使っていたようです。

 撤収の準備です。遺構を保護するのに使用していたシートやコンパネを片付けました。これは土のう袋から土を抜いているところです。8,500uの調査区を隙間なく覆っていたブルーシートと土のう袋の数は、半端な量ではありません。

 いよいよ撤収です。半年間酷使して使えなくなってしまった道具は手前の産業廃棄物収集車へ。それ以外の器材と出土した遺物は、奥に見える4トントラックに積み込みます。記録や遺物取り上げが最終日まで残ってしまったため、ハラハラしましたが、11月1日、全ての調査を無事に終了することが出来ました。

 この速報でずっと見守っていて下さった皆様、わざわざ現場まで足を運んで下さった皆様、本当にありがとうございました。

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