財団法人山形県埋蔵文化財センター
大在家(だいざいけ)遺跡 5月第4週
2区北側の表土除去(大浦工業)

今週は、先週に引き続き2区の北側を調査しました。
調査は、石岡薬局さんのご協力もあって順調に進みましたが、電柱の移設などとも重なり、安全のため作業を度々中断しました。
今回も町中での調査の難しさを実感しました。

2区北側の遺構検出

2区北側の北に、少なくとも江戸時代には構築された水路があります。
今回は一部南縁が検出されました。また、それと直交するように焼土や炭化物が充満した溝状遺構(写真中央の黒い部分)が見つかりました。

焼土充満の溝状遺構

溝状遺構からは、焼土や炭と共に多数の近
世陶磁器(写真の白ラベル)や漆器、炭化材
が出土しました。この地域は、江戸時代後期
に数回の大火の記録があり、遺物の時期か
らもこれら大火後に廃棄、埋められたものと
考えられます。


2区北側の遺構完掘と柱穴群

他に多数の建物の柱穴群も確認されました
。一部は溝状遺構の下から見つかり、焼土
を含まない江戸時代以前と考えられる柱穴
群もあります。
柱穴には、水位が高いせいか柱根が多く残
っており、柱根の下には柱の沈下を防ぐ礎
盤(石)を置くものもあります。


さて、今週で2区は終わり、来週から現道部
分に入ります。
道路を付け替え、道路の真ん中を調査しま
す。地元の方にはご不便をおかけしますが、
安全に気をつけながら効率的な調査を行っ
ていきたいと思います。


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