四ツ塚遺跡第4次調査は無事に終了しました。今回は調査の成果を間単にご紹介します。なお,前回までの調査内容については前のページをご覧ください。
 竪穴住居跡(ST1)

約3分の1のみ遺存していました。北側中央部分にはカマドが良好な状態で残っていました。
カマド

左の写真の竪穴住居跡にともなうカマドです。カマドの中は強く火を受けて赤く焼けています。奥には煙だしの煙道があります。カマドの中央には赤く焼けた石があります。カマドの中で甕などの土器を受けた支脚として使われたのでしょう。
竪穴住居跡(ST6)

カマドなどはありませんが,中には大量の土器が捨てられていました。
溝 跡(SD7)

第2次調査,第3次調査で検出されている溝につながります。古代の区画溝のようです。
陥 穴(SK19)

縄文時代のものと考えられる陥穴です。底には逆茂木を立てた穴も見られます。四ツ塚遺跡には縄文時代の集落跡はありませんが,北方にある岩木遺跡(縄文前期・中期)などの集落に住んでいた縄文人達が仕掛けたものかもしれません。
須恵器の蓋

竪穴住居跡ST6に棄てられていた土器です。右の広高台付坏などの蓋になります。
須恵器の高台付坏

同じく竪穴住居ST6に棄てられていた土器です。8世紀末から9世紀初めの土器と考えられます。
土師器の甕

煮炊きなどに使われた素焼きの土器です。胴部の下半しか残っていませんが,これから復元作業に取り掛かります。
 今回の4次調査で四ツ塚遺跡の調査は終了になります。縄文時代には陥穴を使った狩猟場として,また古代から中世には庶民の集落が存在しました。今後これまでの調査成果を総合し,四ツ塚遺跡の全体像を明らかにしていきます。次回の更新ではその成果を報告します。
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