財団法人山形県埋蔵文化財センター
中山城跡(なかやまじょうあと) 

10月第3週
 
 朝夕、めっきり寒くなり、日も短くなってまいりました。10月1週で紹介した、橋爪家上層を完掘しました。西側部分の残土の下にあった下大石家の南部分をあらわして、下大石家屋敷跡全体の遺構検出写真(写真1)を撮影し、本格的に調査に入りました。
 また藤本家、上岡田家の遺構検出(写真2)も完了し、調査に入りました。下大石家から1基(写真3)、藤本家から2基の井戸が見つかりました。藤本家のは、四角の木の枠の上に四角形に石を積んだ井戸(写真4)と石積みが確認されない井戸です。(写真は次週に掲載)
写真1 下大石家屋敷跡全体の遺構検出 

西から撮影

 この屋敷跡は、移転前まで住まわれていたところです。明治以降に増築などが行われているため、江戸時代の武家屋敷そのものの跡ではないと考えられます。  

写真2 藤本家、上岡田家の遺構検出  

北東から撮影

写真3 下大石家の井戸 北から撮影

 現在も水位が高く、掘り進めることはできません。直径約90cmです。 

写真4 藤本家の井戸  西から撮影

 四角の木の枠の上に、四角形に石を積んだ井戸です。65cm×60cmの長方形で、深さ約90cmです。

写真5 下大石家の礎石  西から撮影

 礎石とその下にぎっしりと敷かれた小さな石を確認しました。ただし、土層断面と大石さんの現御当主の証言から、これは明治以降に、下大石家が建て直した建物の礎石と考えられます。礎石の間隔は、手前から約120cm、180cm、180cmです。

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