庚壇(かのえだん)遺跡

9月第2週
 今週からB区を掘り始めました。B区は平安時代の遺構が主体で、特に南北方向の溝跡が多いのが特徴です。他に土抗と柱穴、近世のお墓があります。写真はB区西側にある溝跡を掘り下げているところです。

 溝跡を掘り進めて行くうち、途中で「く」形に曲がり南西に向かって伸びていることが判りました。溝跡の西に広がっていた平安時代の集落を区画するものと考えられます。

 この溝跡の底からは須恵器の坏など平安時代の遺物が多く出土しています。その中に底部に文字が刻まれた土器もありました。内外面とも黒色処理された有台の坏です。

 文字は「王仁」(ワニ)と読めます。これは今の朝鮮半島にあった百済という国から日本に渡って来た氏族の名です。詳しい事は今後の調査で明らかにしていきたいと思います。

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