庚壇(かのえだん)遺跡

10月第3週
 今週は最後に残ったA区西端部を調査しました。これは調査区を南北に横切る近世の溝跡です。溝といっても幅が5m近くあり底面は平らになっていました。用水路のようなものでしょうか。

 「庚壇遺跡」名の由来となった、庚申信仰による石塔です。この「庚申塔」は調査区内に以前建っていたものです。現在は石材店に預けられていますが、今回は元のように立てた状態で見せて頂きました。風化して文字の見えないものを含め、全部で4基あります。

 21日午後、現地にて調査説明会を行いました。近隣の果樹園の方を始め、地元を中心に約70名の参加がありました。この地域の弥生時代について、遺跡の成り立ち、昔の自然環境などの話をしたのち、一つ一つ詳しく遺物の解説をおこないました。

 “弥生時代後期の竪穴住居跡”の説明をしています。置賜地方では初めての検出です。左端の土器は、炉跡のすぐ脇で見つかったものを復元しました。赤白の棒の刺してある所が住居の柱があった場所で、短いのが壁柱、長い方は主柱を表しています。

前の週へ 調査速報一覧 次の週へ