埋蔵文化財の保護と活用

■埋蔵文化財の保護

埋蔵文化財の保護については、文化財保護法をはじめとする国の施策や方針に沿って行われてきました。本県でもその方針に基づいて埋蔵文化財の取扱いを行っております。
当センターとしては「先人の生活が刻まれた埋蔵文化財(遺跡)は、国民・県民共有の文化遺産として、保護・活用し、後世に引き継いで行くことが大切である」と考えております。
遺跡は一度破壊されてしまえば元に戻すことができなくなり、先人の残した生活の痕跡は失われてしまいます。
現代に生きる我々の責務は、これら遺跡を保存し、子々孫々に伝えていくことと考えます。過去を見つめなおし、未来への展望を拓くことが歴史学の常道であり、埋蔵文化財を扱う考古学もまた同じです。
しかしながら遺跡をすべて現状のまま残すことは、現代社会の社会資本整備などとの関わりにおいて、現実的には不可能なことであります。
そのため次善の策ながら全国各地で開発事業に伴う緊急発掘調査が行われ、「記録保存」という形で、後世に残す努力が日々なされております。

■埋蔵文化財の活用

当センターでは、これまで発掘調査の成果を調査説明会や発掘調査報告会などのさまざまな場面で地域住民の皆様にお伝えして参りましたが、まだまだ充分ではないと考えております。
平成13年度よりはじめたインターネットによるホームページでの情報提供や、出前授業による学校教育への協力事業はこうした調査成果の還元の一つであり、今後ともその還元に努めていく所存です。
埋蔵文化財は国民・県民共有の財産であるとともに、地域住民の皆様の財産でもあります。当センターをはじめ、各行政機関と地域が一体となった協力があってこそ、真の文化財保護が達成できるものと考えます。

Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research