「発掘調査速報」カテゴリーアーカイブ

水林下遺跡(6月30日~7月3日)


調査を開始しました。
初めに調査区の表土を重機で掘り、昔の人が残した生活の跡が見える面を出していきます。


昔の人々の生活の跡(遺構)が見える面まで掘り下げました。土の色の違うところが遺構の可能性があります。
この後、人力で土を綺麗に削り、土の違いを確認して遺構を見つけていきます。


『発掘調査速報会2019』報告遺跡の出土遺物

新型コロナウィルス感染症対策のため中止となった『国宝土偶講演会&山形県発掘調査速報会2019』では、報告遺跡の出土品や写真パネルを多数展示する予定でした。
ここではその一部をご紹介します。web公開している資料とあわせてご覧いただければ幸いです。

●山形城三の丸跡第21次(山形市)

山形城三の丸跡出土の土器です。県内でも希少な飛鳥時代から奈良時代(7世紀から8世紀代)の土器が出土しました。主に竪穴住居跡や土坑から出土し、一部の土器では、内外面に漆と考えられるものが付着していました。

山形城三の丸跡出土の陶磁器類です。瀬戸美濃や肥前陶器の皿を中心に出土し、これに瀬戸美濃天目茶碗や志野向付などの茶道具も加わります。時期は16世紀末から17世紀前半にかけてのものが中心となります。また、金箔瓦も出土し一帯が上級家臣の屋敷地が配置されていたと考えられます。

山形城三の丸跡出土の瓦です。瓦を意図的に投棄した「瓦投棄土坑」が見つかり、17世紀中頃から後半の瓦を中心に18世紀前半までに限定されます。三の丸は18世紀前半の堀田氏の時代には空き地化が進行しており、今回の「瓦投棄土坑」は、その裏付けになっています。

●谷地城跡(河北町)

溝跡から出土した盆笊です。植物でつくられた遺物は腐りやすく、かたちが分かる状態で見つかることは珍しいといえます。ザルは竹ひごを使って編まれており、編む方向によってひごの太さを変えていることが分かりました。この他にも下駄や漆器椀などの木製品が出土しています。

こちらも溝から出土した遺物になります。石で作られた塔の一部で、相輪とよばれるものになります。この溝から出土した遺物は一番新しいもので1,600年初頭のものになります。この相輪もそれ以前のものと考えられます。石塔は当時、墓石や供養塔として使用されていました。

輸入磁器である青磁や白磁、青花や国産の古瀬戸や瀬戸美濃、肥前陶磁器が出土しています。また、古銭などが出土しています。写真の陶磁器はすべて1500年代の製品になり、時期的にこのころの遺物が一番多く出土しています。このほかでは、1200年代から1800年代まで各時期に作られたものが出土していますが、出土量に差があります。

●中関屋遺跡(新庄市)

須恵器の坏は、平安時代の9世紀中頃の時期と考えられます。ロクロ成形で、底部は回転糸切りです。ツマミの付いた蓋も出土しています。蓋の内面は摩滅し墨痕があることから、転用硯として使用されたようです。

縄文時代前期初め頃(約7,000年前)と思われる縄文土器の深鉢が出土しました。平安時代の掘立柱建物跡の柱穴SB42EP47の下から出土したものです。石器では石皿が認められ、両側に発達した磨面があり炭化物が付いています。

土師器や須恵器などの遺物が多く出土しました。覆土は焼土や炭が混じっており、不要な物を捨てたゴミ捨て場と思われます。

●上曽根遺跡(酒田市)

須恵器の坏が2枚重なって出土しました。底部はヘラ切で、時代は奈良~平安時代初期頃と考えられます。ともにほぼ完形で残っており、2枚目の底面には墨で文字が書かれていました。

須恵器の坏に「宴」の文字が墨書されていました。墨書土器に書かれる文字には場所・人名・用途などを示したもの、吉祥文字や文字の練習として書かれたものなどがあります。「宴」の意味については現在調査中ですが、おそらく祭祀や儀式などに関係した文字と考えられます。

上曽根遺跡の発掘調査では多数の斎串が出土しました。その中でもSK213土坑から出土した斎串には上部と下部の両側面に複数の切り込みが入り、精巧な細工が施されていました。
斎串は古代において使われていた木製の祭祀具で、主に神様の依り代や地面に刺して結界を示すために使用されていました。


『国宝土偶講演会&山形県発掘調査速報会2019』の資料を掲載しました

≪PDFデータ≫(山形県教育委員会作成)

3月8日に予定されていた『国宝土偶講演会&山形県発掘調査速報会2019』は、新型コロナウィルス感染症対策のため中止となりましたが、当日配布用に準備を進めていた資料についてweb公開いたします。

上掲の《PDFデータ》をクリックするか「刊行物」メニューからダウンロードしてご覧ください。


イベントの中止について

先日お知らせした「令和元年度考古学講座」と「国宝土偶講演会&山形県発掘調査速報会2019」は、新型コロナウイルスの感染症対策のため中止にします。

【中止になるイベント】

〇「令和元年度考古学講座」 会場:埋蔵文化財センター
・特別講演会
3月6日(金)13:30~15:00

・センター談話会
1回目 3月5日(木)18:00~19:00
2回目 3月12日(木)18:00~19:00

〇「国宝土偶講演会&山形県発掘調査速報会2019」
会場:山形県生涯学習センター 遊学館
3月8日(日)13:00~16:15


「令和元年度考古学講座」について(3月6日)

『令和元年度 考古学講座』を山形県埋蔵文化財センターにて下記の期日・内容で開催いたします。
多くの皆さまのご来場を、心よりお待ちしております。

※事前申込は不要、参加費は無料です。
※特別講演会は、講演会開始後や満席の場合には入場をおことわりすることがあります。お早めにお越しください。

特別講演会<中止になりました
3月6日(金) 13:30~15:00
演題:『東北地方中南部地域における緑色石英製の玉類の生産と流通について』
講師:三澤裕之氏(山形県総務部学事文書課)

センター談話会
第1回:3月5日(木) 18:00~19:00<中止になりました
テーマ『3D写真計測の利用について 発掘調査から報告書作成に関して』(水戸部秀樹)
第2回:3月12日(木) 18:00~19:00<中止になりました
テーマ『関東系土師器と7世紀後半』(渡辺和行)


チラシ(PDF


「国宝土偶講演会&山形県発掘調査速報会2019」について(3月8日)

令和2年3月8日(日)に「国宝土偶講演会&山形県発掘調査速報会2019」が開催されます。
県内各地の最新の調査成果の発表があります(報告遺跡の詳細は下記をご覧ください)。皆様のご来場をお待ちしております。
※入場無料。申込みは不要です。
中止になりました

チラシ(PDF)

日時:令和2年3月8日(日) 13:00~16:15(開場12:00)
会場山形県生涯学習センター遊学館 2階ギャラリー・ホール(山形市緑町1-2-36)[地図
※お車の方は県営駐車場をご利用ください。入館時と退館時に1階総合案内受付に駐車券をご提示いただくと割引になります。

主催:山形県教育委員会
共催:公益財団法人山形県埋蔵文化財センター

問い合わせ先(主催)
 山形県教育庁 文化財・生涯学習課
(文化財振興担当)
〒990-8570 山形市松波二丁目8-1
TEL:023-630-2879


上曽根遺跡第3次(11月25日~29日)

先週に出土した斎串(右側の2つ)とこれまで出土していた形の斎串(左側)を比較してみました。比べてみると、右側の方がより精巧な細工が施されていることが見て分かります。

最終週には吹雪や雪が積もるほどの寒気に見舞われましたが、無事に発掘調査を終えることができました。半年間ご尽力してくださった作業員さんをはじめ、ご協力していただいた近隣住民の方々や関係者の皆さん、ありがとうございました。


考古学&遺跡発掘調査のお仕事参観日(2019年11月24日)

11月24日(日)、昨年に続き2回目となる『考古学&遺跡発掘調査のお仕事参観日』を開催し、多くの方々にご来場いただきました。

玄関近くの多目的ホールでは、再生琥珀(コハク)を材料にした勾玉作りの体験コーナーを設けました。完成形を目指して紙ヤスリで少しずつ削り出していきます。

各整理室では、当センターが発掘調査を行い現在整理を進めている最新の調査成果をご覧いただきました。

普段目にしない施設内部や作業の公開が中心でしたが、少しでも身近に感じていただけるよう一部作業体験も実施しました。

見学・体験を通して、文化財にかかわる当センターの活動を知っていただく良い機会となりました。ご来場いただいた多くの方々に、厚く御礼申し上げます。


上曽根遺跡第3次(11月18日~22日)

土坑から斎串(いぐし)が出土しました。今まで井戸跡から大量に出土していた両端を斜めに切った形状のものとは違って、人形(ひとがた)に近い形状をしている斎串です。

金曜日には3回目の空撮を行いました。調査区の奥に見える鳥海山はすっかり雪景色です。