「置賜地方」カテゴリーアーカイブ

上大作裏遺跡(10月2日〜10月6日)


拡張した範囲を徐々に掘り下げていきました。遺物が多く出土するのは下層部なので、1回に3cmほどの掘り下げを繰り返し行います。


「ホレ、まだ出やたよ。」土器や石器の小さな破片が主ですが、場所によってはカゴがいっぱいになるくらい出土します。


弥生土器(上)や須恵器(右)に混じって、ヤジリや石箆など石器の完形品も見つかりました。


天王遺跡(10月2日〜10月6日)


堀の壁に沿って、円形の痕跡が密集して見つかりました。土留めのための杭の跡でしょうか。


堀と考えられる遺構が掘りあがりました。幅は約8mあります。2列目の人が並んでいる部分は幅が半分ほどに狭まっており、出入り口に当たると考えられます。


写真奥の田んぼが狭くなっている部分が、堀の延長のように見えます。


上野遺跡第2次(9月25日〜9月29日)


9月半ばの雨の影響を受けて、予定より3日程遅くなりましたが、上野遺跡第2次調査が終了しました。昨年に引き続いての調査でしたが、遺跡の広がりが確認できたことは、大きな成果でした。


調査区の引渡しに備えて、最後の見回りをしていたところ、風倒木痕と考えられる遺構から、縄文土器片を発見しました。掘り下げてみると、縄文土器の口縁部や底部が、ある程度固まって検出されました。


縄文土器片のアップです。出土遺物が少なかっただけに、上野遺跡(第2次)の性格を探る際に、大きな手がかりとなりそうです。


加藤屋敷遺跡(9月25日〜9月29日)


D区の住居跡(ST5)のカマドと思われます。土が焼け、赤茶色になっている部分を丁寧に掘っていきます。


調査も後半に入り、遺構精査と図面記録の作業が忙しくなってきました。これは、C区の住居跡(ST13)を掘り下げているところです。


遺構を図面に記録し、特徴を細かく書いていきます。


下叶水遺跡(9月25日〜9月29日)


北西端の礫の地盤になります。右側に見える黄色のシルト地盤と同じように、柱穴や土坑など遺構の広がりが見えます。


礫の地盤で確認された柱穴群です。遺構の半分だけ掘り下げると、掘り込みの深い柱穴が弧状にまわっており、竪穴住居跡の可能性もあります。


調査区東側では河跡(SG2)の下層から埋設土器が出土しました。河跡下の柱穴や土坑などの遺構を掘り込んでおり、それより新しい時期に埋設土器があったことがわかります。


上大作裏遺跡(9月25日〜9月29日)


今週は調査区東側と南側の壁を取り除いて、一部拡張することにしました。


表土はスコップで粗掘りしましたが、これから先は遺物が多く含まれる層なので、移植ベラで少しずつ掘り下げます。


こちらは東壁側の拡張区です。周辺の田んぼはすっかり黄金色になり、今週から一部で稲刈りが始まりました。


上野遺跡第2次(9月19日〜9月22日)


7a区西部には、縄文時代の風倒木痕があります。その周辺から、縄文土器片が何点か検出されています。


左前方のやや黒ずんだ部分は、縄文時代の風倒木痕と思われます。左後方には、中世の建物址が確認されています。


7a区の東端(現在の住宅地に隣接する部分)は、水気を多く含む砂地の地盤になっています。昨年の一時調査で検出された柱材が、ここでも3点ほど検出されています。


3週間の2期調査も終盤を迎えました。今回の調査は、果樹園地帯を横切る約6m幅の調査区において実施されました。南陽市上野地区の遺跡の広がりが、おおよそつかめてきました。