押出遺跡5次(11月19日~22日)


先週に引き続き遺物包含層を掘り下げました。
遺物包含層からは、続々と土器や石器などの、縄文時代前期の遺物が出土しました。
写真は、透明感のある深緑色のきれいな磨製石斧が出土した状況です。


調査区の北側では、約1m×5mの範囲に木炭が分布している遺構が発見されました。
その木炭が分布する範囲のなかで、100点以上の石器を作った際に出るカケラなどが、
約60cmの範囲に集中して出土しました。
これらの石器のほとんどは、焼けた痕跡が認められます。
写真は、石器の出土状況を、詳細に記録して取り上げている様子です。


『仙台市縄文の森広場』のスタッフとボランティアの方々が、
調査員の説明に熱心に耳を傾け、興味津々に遺物が出土する様子を見学されました。


左は「けつ(王へんに欠)状耳飾り」です。透明感のある深緑の石材で、翡翠(ひすい)と考えられます。
左は小型の磨製石斧です。これも、透明感のある深緑の石材で、蛇紋岩と思われます。
きれいな色をした石材を用いたこれらの遺物は、県内でも数が少なく、とても貴重なものです。


今回の発掘調査で出土した石器です。左端は、長さのある矢じりで、このような長い矢じりは、あまり例を見ません。
中央の2つは、「押出型ポイント」と呼ばれるもので、ナイフのように使う石器と考えられます。
右端は、蛇紋岩と思われる深緑色のきれいな磨製石斧です。なぜか、刃先の方が焼けています。