「山形県発掘調査速報会」がいよいよ2月26日(日)に迫っています。当センターからも今年度に発掘調査した遺跡の発表があります。今週はそれらの整理作業の様子をご紹介します。
馳上遺跡(米沢市)では木製品と呼ばれる木で作られた道具が多く見つかりました。
★今年度の調査の様子はこちら★
木の道具は腐ってしまい残らないことがほとんどです。この遺物は河川跡から出土したため水分を含み、真空パックの状態で保存されていたので腐らずに残っていました。貴重な遺物といえます。その木の道具の実測を行っています。物の形を図面として残す作業です。
実測図を作っている途中の状態です。遺物は馬具の鞍の部品だと思われます。県内ではあまり見つかっていません。こうした木の道具では他に皿や櫛、箱の様なもの、鍬や弓などが見付かっています。
他に特徴的な遺物として墨で土器に字を書いた墨書土器があります。書かれている文字の多くが「大王」や「奉」になります。その他に「在」、「吉」、「万」などもみられますがあまり多くはありません。写真の右に写っているのは硯の破片です。こうした道具を使って文字を書いていました。写真下の土器は文字を刻んで書いた刻書土器になります。この二点は焼いた後に文字を削りだしています。
ここで紹介した土器は速報会で展示します。是非見に来てください。