「水林下遺跡第3次」カテゴリーアーカイブ

水林下遺跡第3次(9月2日~9日)


ドローンで調査区全体の完掘写真を撮影しました。


手前中央に調査区が見えます。右側は、一般国号7号遊佐象潟道路の工事が進んでいます。そして、左上奥には鳥海山が見えます。遺跡は9万年よりも前に、鳥海山から噴出した溶岩で出来た大地に上にあることが、空撮写真からわかります。


旧石器の調査区では、終了日前日の午前中まで石器が出土し続けましたが、最終的には旧石器包含層であるⅥ層を完掘しました。


最終日前日から、現場と事務所の撤収作業を行いました。


調査最終日、器材などをトラックに積み込み、1次~3次にわたる水林下遺跡の発掘調査が終わりました。作業に携わりました作業員の皆さまと関係者の皆さまのおかげで、無事に調査を終えることができました。この場を借りて、御礼申し上げます。


水林下遺跡第3次(8月29日~9月2日)


旧石器調査区では、石器が出土する地層下部の掘下げが続きました。雨でぬかるむ地面を掘下げていきましたが、まだまだ石器が出てきます。


C区北での遺構精査が終盤になってきました。調査を行う日程も、残り少なくなってきました。


東北大学の鹿又喜隆先生が、学生や院生をともなって現場見学に訪れました。あいにく、豪雨の翌日だったため、旧石器調査区は泥に覆われていて見学しにくかったのですが、遺跡が立地する地形などに興味を示されておられました。


水林下遺跡第3次(8月22日~26日)


旧石器が出土する調査の掘り下げが続きました。旧石器が出土する地層の下部まで掘り下げましたが、まだまだ石器が出てきます。


C区北の西側に位置する古代の竪穴建物跡の記録作業を行いました。一眼レフカメラで、遺構の堆積状況を記録しました。


23日~25日にかけて、水林下遺跡第3次発掘調査の一般公開を行いました。水林下遺跡に興味を持っていただいた方々が、発掘調査の見学に訪れました。


1日の作業が終わりには、事務所に向かう途中、女鹿漁港から日本海に沈む夕陽を見ることができます。この日、夕陽はウロコ雲に隠れていましたが、海面には夕映えがきれいでした。水平線の右側には、飛島を望むことができました。


水林下遺跡第3次(8月8日~10日)


C区北で検出された、古代の竪穴建物跡とみられる遺構の調査を行いました。遺構の周囲には小さな溝がめぐるようです。


旧石器の調査では、引き続き石器が出土する地層の掘り下げを行いました。これまでに、300点以上の石器が出土しました。


秋田大学の林信太郎先生が現場にお越しになり、旧石器時代の堆積環境や地形について、いろいろとご教示いただきました。


縄文研究者として著名な岡村道雄さんが、現場見学にいらっしゃいました。水林下遺跡の旧石器や古代の遺構について、興味深く見学されていました。


水林下遺跡第3次(8月1日~5日)


炎天下の中、旧石器が出土する地層の掘り下げが続けられました。石器が出土したら、周囲を柱のように残して、周りをさらに掘り下げていきます。


C区北の東側では、縄文時代中期初頭の土器が出土した、大きな土坑が2つ並んで発見されました。縦断面形が、フラスコのような形をした「フラスコ状土坑」の可能性があります。


C区北の中央部では、平安時代の竪穴建物跡と考えられる遺構が発見されました。しかし、後世に耕作地の造成などで、東半分が壊されていたようです。


水林下遺跡第3次(7月25日~29日)


先週とはうって変わり、夏空が戻り、厳しい暑さのなかでの作業となりました。C区北では、中央部にある四隅に溝を有する古代の竪穴建物と思われる遺構の精査を行いました。この遺構は、残念ながら後世の耕作地の造成などで、ほとんど壊されていました。


26日には、日本および東アジアの先史考古学・民族考古学・人類環境史をご専門とする東京大学名誉教授の佐藤宏之先生が、調査指導として水林下遺跡にいらっしゃいました。3次調査で出土した台形石器や石斧の破片について、さまざまなご意見をいただきました。


佐藤先生からは、ほかの旧石器時代の遺跡には見られない、遺跡が鳥海山という火山のそばに立地するというユニークなことなどについて、発掘現場の観察を通してお伺いすることができました。


28・29日には、東アジアの先史文化の研究、東アジアの古代都市と仏教寺院の建設計画と思想などをご専門とする、東北学院大学教授の佐川正敏先生が、調査指導にいらっしゃいました。佐川先生からは、旧石器が残された当時の微地形に関することや、縄文時代や古代の遺構に関して、さまざまなご意見を伺うことができました。


佐川先生は、作業員さんと混じりながら、旧石器が出土する地層の掘り下げを行い、水林下遺跡の地層の感触を体験されておりました。


水林下遺跡第3次(7月11日~15日)


フェーン現象による酷暑の中での作業となりました。C区北では、引き続き遺構の精査を行いました。


大きな土坑が発見されました。その土坑の上には、縄文時代中期初頭の北陸系の土器(約5,500年前)とくぼみ石、すり石が出土しました。土坑は縄文時代の土坑と考えられます。まだ、何のために掘られた土坑なのかは、わかりません。


旧石器の調査区でも、引き続き石器が出土するⅥ層の掘り下げを行いました。


旧石器の調査区では、立正大学准教授・下岡順直さんによる、自然放射線や宇宙線の被曝総量を測ることで、土器などの土製品・岩石などの年代測定を行う熱ルミネッセンス用の試料採取が行われました。水林下遺跡では、旧石器が出土したⅥ層を中心に試料を採取し、堆積層の年代を明らかにすることを目的としました。


水林下遺跡第3次(7月4日~8日)


先週の水林下遺跡での調査は、鳥海山山頂に雲が沸き上がっていましたが、フェーン現象のため、炎天下のなかでの作業となりました。


土が乾燥してしまうので、水まきをしながら調査を行いました。


C区北では、引き続き遺構の精査を行いました。


旧石器の調査では、鎌で丁寧に削りながら、石器が含まれる地層の上部を掘り下げていきました。