
南側の調査区を横断する長い溝跡を掘っています。スコップや移植ごてを使い分けながら、遺物を傷つけないよう慎重に掘り進めています。

新たに掘立柱建物跡(ほったてばしらたてものあと)が検出されました。3間×2間の建物跡のようです。
11月9日(土)に上曽根遺跡の発掘調査説明会を行ないます。
溝跡の掘り下げ
井戸跡から出土した斎串
上曽根遺跡の発掘調査は昭和63年に行われた第2次調査以来、3回目になります。今回の調査により奈良・平安時代の井戸跡や溝跡、土坑などが多数確認されました。遺物は墨書土器や祭祀に使われた斎串が出土したほか、多くの須恵器や土師器が出土しています。
現地説明会案内(PDF)
日時:令和元年11月9日(土) 午後1時30分~(小雨天決行)
調査遺跡:上曽根遺跡
場所:酒田市上野曽根字上中割(地図)

北側の調査区の溝跡を掘り下げました。新しい時代の溝跡に切られていますが、検出面からもいくつか土器が出土している溝です。

掘り下げていくと、数点の土器が出土してきました。なかからは完形に近いものや接合すると元の形に復元できそうな破片がまとまって出土してきました。
11月24日(日)に『考古学&遺跡発掘調査のお仕事参観日』を開催します。
なかなか入る機会のないセンター内の設備や実際に行っている整理作業の見学、勾玉作りの体験ができます。
センターで行っている発掘調査の報告書作成業務等の見学を通して、山形県内の遺跡や考古学の面白さを紹介します。
多くの皆さまのご来場を
心よりお待ちしております。
お仕事参観日チラシ(PDF684KB)


遺構の掘り下げを進めています。写真は溝跡を掘り下げている様子で、溝の中心部分が一段深くなるような構造をしているようです。

同じ溝跡を南方から見た様子です。この溝は、奥の農業用水路をはさんで北側の調査区まで伸びています。

今回新たに重機で表土を削ったところにジョレンをかけて、いつものように面整理をしていきます。

面整理が終わったところから、石灰で白線を引き、遺構の輪郭に印をつけていきます。

白線を引き終わった調査区です。前半で調査した部分(右奥)から続いている長い溝や柱穴、土坑などが確認できました。

週の半ばに、ラジコンヘリを使って測量用の空撮を行いました。

空撮が終わり、重機による最後の表土除去に入りました。これまで排土置場としていた調査区南側部分の土を取り除いていきます。

斎串(いぐし:災いを除ける祓いの道具)の出土状況です。井戸跡の掘方(ほりかた:井戸枠の外側の部分)から同じ形をしたものが大量に出土しています。

出土した斎串(いぐし)の一部です。写真のような両端を斜めに切った形のものが50本近く出土しました。

遺物包含層から須恵器の坏が出土しました。2枚が重なり、ほぼ完形であることがわかります。右上が土を取り、綺麗にした状態です。

記録作業を行ったのち、1枚目を取り上げました。2枚目も残念ながら割れてはいましたが、破片がすべてあるので元通り復元できそうです。

今週は再び重機が入り、今まで通路として使用していた部分の表土を除去しました。

表土を除去したところから、ジョレンをかけて面整理を行い、遺構検出していきます。
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research