今週は、調査区北側にある竪穴住居跡(ST22)の完掘作業を行いました。
調査区の東端で確認された掘立柱建物跡になります。建物は、調査区の外側に伸びており、全体を把握できませんが、すぐ西隣の掘立柱建物跡と同じ向きで柱が並んでいます。
今週末には、ラジコンヘリによる空中撮影を行いました
6区で見つかっている竪穴住居跡の1つです。右の写真は、カマド跡(〇囲みの箇所)を拡大したものです。カマドを構成する石組も出土しており、当時の使用状況をうかがい知ることができます。
6区で見つかった竪穴住居跡は、測量により詳細な図面を作成しました。
7区は、河川跡(水色の範囲)を掘り下げました。大量の土器が出土しています。
7区河川跡から見つかった土器の1つです。割れた箇所が全くない、完形の状態で出土しました。
この度、調査区南西側に無数にある柱穴の検出がひと段落ついたので、調査区全体の写真撮影を行いました。
これが調査区南西側の全体の様子です。外側に溝があり、全体的に柱穴があります。
この日は雨が降るなか、発掘作業を行いました。雨のなか頑張っているご褒美でしょうか、空にはきれいな虹が架かりました。
『馳上遺跡・西谷地地区』の発掘調査説明会を開催しますので、ぜひご参加ください。
◆日時
平成21年10月31日(土)午前10時~
◆集合場所
米沢市大字川井・西谷地(馳上遺跡・西谷地地区発掘調査区)
◆成果
馳上遺跡は、古墳時代中期と奈良・平安時代の集落跡です。今回の調査では、竪穴住居跡・掘立柱建物跡・土坑などの遺構と河川跡が確認され、土師器や須恵器などの遺物が出土しました。また、西谷地地区では中世の掘立柱建物を構成したと考えられる無数の柱穴が検出されたほか、大量の炭や灰が堆積した焼成土坑が見つかりました。
◆連絡先
財団法人山形県埋蔵文化財センター
馳上遺跡発掘調査事務所
担 当 須賀井新人・水戸部秀樹
TEL 090-1068-1844
TEL 090-1068-2751
より大きな地図で 米沢市大字川井・西谷地(馳上遺跡・西谷地地区発掘調査区) を表示
6区の調査の様子です。遺構の掘り下げが順調に進んでいます。
6区で見つかった竪穴住居跡の一部です。〇で囲んだ所は、かまど跡のようです。周囲からは、調理に使われたと思われる土器が出土しました。
7区は、遺構の記録作業がほぼ終了しました。土層の堆積状況を観察するため、わざと掘らずに残しておいた箇所を掘り下げ、遺構の完掘を行いました。
今週は、たくさん検出している柱穴の状況を記録するために、高い脚立に上り撮影を行いました。
上の方法で撮影した写真です。これでも調査区のほんの一部ですが、たくさんの柱穴があるのがわかります。
以前ご紹介した炭と焼土が多く見られる遺構ですが、遺構の状態等を確認するために、様々な部分を掘り下げています。
去年に引き続き、10月3日(土)・4日(日)の二日間、県埋蔵文化財センターを紹介する「山形県埋蔵文化財センター参観デー やまがた埋文祭り2009」を開催しました。両日で1,000名を超える多くの方々にご来場いただきありがとうございました。
◆受付
まもなく10時開場です。準備万端でお迎えします。
開場前からたくさんの方々にお待ちいただきました。
◆企画展
<遺跡から見た「天地人」>
大河ドラマ「天地人」に関連する、山形県内の遺跡から出土した遺物を展示しました。
◆施設見学
<スタジオ埋文>
縄文服を着て、縄文土器と一緒に記念撮影をしました。
<特別収蔵室>
展示内容も一新し、新しい展示をみなさんに見ていただきました。
<速報展>
平成21年度に発掘調査した遺跡に関する写真や出土した遺物を展示しました。
◆体験
<体験ひろば>
今年は、勾玉作りとアンギン編みを行ないました。
屋外では、弓矢飛ばしを実際に体験しました。みんな熱中しています。
森の中の動物たちをちゃんと射ることができたかな?
<考古学体験>
整理室での仕事を実際に体験していただきました。
土器の「復元」の体験中です。ちゃんとぴったりくっつくかな?
土器の紋様を写し取る「拓本」を体験してもらっています。
遺物に遺跡名や出土地点などを書く「注記」は、文字を小さく書くことがとても難しいです
7区の調査を行いました。遺構の掘り下げもだいぶ進みました。
古墳時代の土器が出土しました。写真左は甑(こしき)という調理具(蒸し器)、右は高杯(たかつき)といい、下に台が付いている盛り付け用の土器です。甑は横倒しで、高杯は上下がひっくり返った状態で見つかりました。
こちらは、竪穴住居跡から出土した土器です。横倒しの甕(かめ)が、押しつぶされた状態で見つかりました。
今週も引き続き柱穴の掘り下げを行っています。やってもやっても柱穴が無くならないような気持ちになるくらい、たくさんの柱穴があります。
今週から、調査区南西側の平面図の記録を始めました。数多く検出している遺構を、全て平面図に記録していきます。
金曜日の午後からは雨が降り始めました。こんな悪天候のなかでも、作業員さん達には作業を行っていただきました。本当に作業員さん達の頑張りで発掘調査は成り立っています。