発掘区に分布する土層の重なりや広がりを把握するため、複数の地点で観察用の試掘坑(トレンチ)を掘りました。
深掘り掘削面の勾配と高さは法令の定めに従い、落盤の防止に努めています。発掘作業では安全に対する十分な配慮が求められます。
2か年にわたった調査も今週をもって終了となりました。ご尽力いただいた作業員の皆さん、本当にありがとうございました。
調査もいよいよ最終局面を迎え、完掘の全景写真を撮影しました。
心配していた天気も好転し、この日は絶好の撮影日和となりました。
翌日には調査説明会を開催し、調査成果を公開しました。
48名のお客様に見ていただきました。
こちらの写真では時期の異なる4つの遺構が重複しています。
遺構の重複が著しいと写真撮影や図面作成の回数が増えてしまうため、最小限に収めるよう、掘り下げの工程を工夫して撮影します。
1枚目の写真で手前に写る長方形土坑の底面で、漆器の椀が出土しました。重複の先後関係に加え、遺構の年代を推定できる重要な資料です。
今週はお盆休み明け1週間ぶりの現場の再開でした。
調査も残すところ3週間、いよいよ大詰めを迎えます。
今週から本格的に掘立柱建物跡の調査に入りました。
まずは建物が機能していた面にもっとも近い状態(掘り下げ前)で全景写真を撮影します。
撮影後は柱筋の通りを確認し、柱痕跡の中央を横断するよう、水糸で半截(はんさい:遺構の半分を掘り下げること)位置を決定します。
柱穴が小型のため、半截するのも一苦労です。
今週は東北地方も梅雨明けが発表され、1か月ぶりに週をとおして作業することができました。
こちらは蛇行河川の一部とみられる自然流路です。河床の激しい起伏が、河流による浸食を物語っています。
今週も初日から2日連続の雨休み。
このパターンは7月でもう3度目です。
水はけの悪い低地はまた冠水してしまいました。
水中ポンプの24時間排水により、翌日には水位が下がりました。
電柱から引いた仮設電源に大いに助けられています。
週の半ばからは約600個の柱穴(小穴)の掘り下げを始めました。
調査も終盤を迎えています。
今週は高所から写真を撮影するため、調査区内に移動式足場を設置しました。安全を確認しながら、有資格者が慎重に組み立てていきます。
昨年度の1次調査と同様、今年度も10棟以上の掘立柱建物跡が見つかっています。この建物跡は構成する全ての柱穴で柱の根元がそのまま残っていました。
こちらは3週前にお伝えした、溝(水路)に取り付く木組遺構の続報です。外周に側柱(がわばしら)が方形に巡るほか、内側にも柱筋の交点に2本ずつ柱が残っていました。内側の柱は床を支える床束(ゆかづか)でしょうか。
今週は初めて猛暑日を記録するなど、厳しい暑さが続きました。
我々には苛酷な現場ですが、植物(葦(あし))はすごい勢いで成長中です。
7月は初日から2日連続の雨休み。週の半ばにようやく作業開始。
まずは排水作業からです。
1枚目の写真の排水後に仕上げた、竪穴遺構の土層断面です。
底面で平安時代の土師器や須恵器が出土しました。
そのアップの写真です。土層の構成物の種類や粒子がふぞろいで、
人為的に埋め立てた堆積層の特徴がよく表れています。
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research