
発掘区に分布する土層の重なりや広がりを把握するため、複数の地点で観察用の試掘坑(トレンチ)を掘りました。写真のトレンチでは、黒い有機物層の中に立ち木がそのまま残り、上の方は腐って痕跡化しています。地層の年代を調べる有力な試料になりそうです。

発掘作業も今週で全て終了し、撤収に向けて機材の梱包を行いました。7か月に及ぶ調査でしたが、道具の多さがそれを物語っています。

最後まで身を粉にして働いてくださった作業員の皆さん、本当にありがとうございました。おつかれさまでした。

井戸底の枠の中から奈良時代の土器が出土しました。八幡西遺跡では同時代の住居は見つかっていなく、なぜか井戸だけが孤立してあります。不思議なものです。

A区の調査もいよいよ最終局面を迎え、全景写真を撮影しました。残すところあと1週間、若干の掘り残しを完掘し、遺跡の持つ情報を全て拾い切りたいと思います。

土坑を半截したところ、集積した木製品が出土しました。穴を埋め戻す過程で廃棄されたようです。断面には赤い漆製品も確認できます。

こちらは弓なりに曲がった底板が設置された土坑です。両脇の杭と合わせ、水車の回転を支持する構造と考えています。

底板の先端には、水を通す木樋でしょうか、箱形の装置が取り付いていました。
今年度は4遺跡(計5回)の発掘調査説明会を実施しました。
資料を公開しています。是非ご一読ください。
平成28年度調査説明会資料
多くの方が現地へ足を運んでくださいました。
誠にありがとうございました。

写真では分かりにくいのですが、桶の底に藍色の染料がびっしり付着しています。藍染に用いられた染桶でしょうか。

その傍らには畑遺構(平行する畝間溝)があります。藍を栽培した畑でしょうか。埋土を自然科学分析し、作物を同定したいと思います。

23日(水・祝)には今季2度目の現地説明会を開催し、調査成果を公開しました。小雪がちらつく寒空の下、52名のお客様に観ていただきました。
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research