いよいよ今週で発掘調査も終わりになります。遺跡の全体像を見るため、ラジコンヘリでの空撮を行いました。
完掘写真を撮影するために、遺跡全体の掃除をしています。
6月29日作野遺跡の調査が無事終了しました。雨や暑い中での作業、本当にお疲れ様でした。ご協力をいただいた皆様、どうもありがとうございました。
7月26日(日)の午後2時より現地で遺跡調査の説明会を行いました。遺跡の概要などをパネルで説明し、その後、調査区に移り遺構と出土遺物の説明を行いました。
調査区内の貯蔵穴群や竪穴住居を見て頂き、時期や特徴などを説明しました。参加者は地元の方をはじめ83名に来て頂きました。
出土品の説明です。写真手前の土器は、縄文時代晩期後葉(大洞A式期)の土器と共に出土した注口土器で、肩に波状の粘土紐を貼り付けた精巧なもので、県内には類例のない貴重な資料です。
今週は貯蔵穴群の埋土の残り半分を掘り上げる完掘作業を行いました。完形品の縄文土器などが多数出土しました。
SK18貯蔵穴の埋まる途中に置かれた完形の注口土器です。縄文時代後期末のコブ付土器で、千葉県などの関東地方からも同じ形態の注口土器が出土しており、他地域との交流を示す貴重な資料です。
貯蔵穴の埋土の石の下から、横になって出土しました。縄文時代後期末~晩期初頭の完形の深鉢です。
多数の貯蔵穴や大型竪穴住居跡が確認できた南区の遺構半截作業を終了しました。来週から遺構の残り半分を掘って完堀します。何が出土するか楽しみです。
直径約1.2m、深さ約0.8mの貯蔵穴で、底が袋状にやや広がります。穴が深いため埋土を掘る人と、掘った土を運ぶ人が必要です。
写真下が底で、急須形をした注口土器と考えられます。肩の部分には粘土紐を波状に貼り付けた文様がみられます。
南区の遺構を調査しました。調査区南端部で半分だけ発見された大型の竪穴住居跡です。平面形は直径約5mの円形で、埋土から土器や石器がまとまって出土します。残り半分は調査区外に広がります。
断面が下膨れ状の直径1m、深さ1mほどの貯蔵穴で、埋土の地層を調べるために半分掘った状態です。上層から縄文土器がほぼ完全な形で出土しました。
土器の形などから急須形をした注口土器が横倒しになった状態のようです。小さな円形の突起は底の台と考えられます。
今週前半で調査区全体の遺構検出が終了しました。手前の南区に縄文時代の黒土の遺構が多く見られます。
検出した遺構の掘り下げをしています。土の色を見ながら慎重に掘っていきます。
遺構の掘り下げは土を柔らかくしてから行います。
今週から面整理作業に入りました。縄文時代の地盤は礫層で固く、土を削る作業は大変です。
農道北側、北区の遺構検出を行いました。手前に小谷があり、奥に向かって高くなります。奥の山裾に、村山市の東沢バラ公園があります。
作野遺跡の発掘調査が6月9日より始まりました。今回の調査は、徳内・シーボルトラインの道路工事に伴って行われます。調査区の両隣りは、山形で今が旬の、サクランボの畑です。このサクランボのように調査成果に大きな実りがあれば嬉しいです。
初めに重機で表土を剥ぎ取り、縄文時代(約3,000年前)の地層まで掘り下げていきます。今は平坦な土地でも、縄文時代はかなり山あり谷ありの地形だったようです。
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research