いよいよ発掘も終わりです。河川跡掘り下げ、ラストスパートです。
最終日に米沢市教育委員会、地元のコミュニティーセンターの方、工事関係者に調査の概要を報告しました。
調査も無事終了し、現場を撤収です。調査に協力してくださった地域の皆様、関係機関、そして作業に従事したみなさん感謝申し上げます。
今週は雪かきから始まりました。降り積もった雪が重く、汗をかきながらの作業となりました。
最後に残った道路部分の3区。表土を除去しながら同時に面整理を進めました。
2区の河川跡SG11の掘り下げです。雪、雨、泥 ・ ・ ・ 細心の注意を払って掘り下げました。
先週の空中撮影が終わり、大溝跡(SD205)の底面にあった杭を取り上げました。
今週で堤屋敷遺跡の発掘調査の全工程が無事終了しました。関係機関・地域の方々にお礼を申し上げます。
下屋敷遺跡2区の様子です。調査区の中央部からは、2つの河跡が確認されました。写真の黒く帯状に伸びている遺構が河跡です。
河跡(SG11)の調査の様子です。各所にトレンチを設けて、河跡の深さや埋まり方、遺物が出土するのかどうかを把握します。
河跡(SG11)から出土したふいごの羽口(はぐち)です。ふいごとは、炉の温度を上げて鉄を溶かすための送風装置です。
羽口は、ふいごの先端にあたる部分で、粘土を焼いて作った筒状の土製品です。風を送り込むために真ん中に孔が通っています。炉に接する所には鉄滓(てっさい)が付いています。
調査区に打ち込んだ杭や、遺構番号札、釘などは、分別して廃棄します。
発掘調査で使用した器材をすべてトラックに積み込んで、現場事務所を撤収します。これですべての調査工程が終了しました。御協力いただいた方々に、感謝いたします。
西側から見た堤屋敷遺跡の完掘状況です。今週木曜日にラジコンヘリで空中撮影を行いました。
遺跡中央部に位置する柱穴群の完掘状況です。掘立柱建物跡が3棟確認されています。
陥穴(おとしあな)の完掘状況です。長楕円形で、深さは90cm程です。穴の底には杭を埋め込んだ跡があり、獲物に傷を負わせたり、身動きできなくする「逆茂木(さかもき)」式の陥穴のようです。
遺跡北端部の陥穴群の完掘状況です。陥穴が列状に並んでいます。
下屋敷遺跡では、今週から南側に位置する2区の調査に入りました。まずは面整理で、遺構の検出を行います。
前期調査区がすでに埋め戻されているため、写真で遺跡の概要を説明しました。
井戸跡・掘立柱建物跡・畝状遺構等を実際に見ていただきました。寒い中おいで頂いた皆様に感謝を申し上げます。
大溝跡(SD205)から出土した遺物の取上げ作業の様子です。
大溝跡の東側と西側の底面から、木の杭列が確認されました。溝跡の伸びる方向に対して横に杭が並んでおり、どちらも溝が大きく曲がる地点に位置しています。
大溝跡から出土した箱状の木製品です。埋まった土の重さで押し潰れ、何枚も板材が重なった状態で出土しました。四隅には釘跡が確認できます。
上面の板材を取上げた状態です。丸い穴があり、穴の縁の部分は火を受けたためか黒く焦げています。
前期調査に引き続き、後期調査区からも井戸が検出されています。底面から縄文土器片(晩期)が出土しました。
C区の中央西側で掘立柱建物跡が検出されました。3間×1間の建物になるようです。
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research