先週の空中撮影が終わり、大溝跡(SD205)の底面にあった杭を取り上げました。
今週で堤屋敷遺跡の発掘調査の全工程が無事終了しました。関係機関・地域の方々にお礼を申し上げます。
西側から見た堤屋敷遺跡の完掘状況です。今週木曜日にラジコンヘリで空中撮影を行いました。
遺跡中央部に位置する柱穴群の完掘状況です。掘立柱建物跡が3棟確認されています。
陥穴(おとしあな)の完掘状況です。長楕円形で、深さは90cm程です。穴の底には杭を埋め込んだ跡があり、獲物に傷を負わせたり、身動きできなくする「逆茂木(さかもき)」式の陥穴のようです。
遺跡北端部の陥穴群の完掘状況です。陥穴が列状に並んでいます。
大溝跡(SD205)から出土した遺物の取上げ作業の様子です。
大溝跡の東側と西側の底面から、木の杭列が確認されました。溝跡の伸びる方向に対して横に杭が並んでおり、どちらも溝が大きく曲がる地点に位置しています。
大溝跡から出土した箱状の木製品です。埋まった土の重さで押し潰れ、何枚も板材が重なった状態で出土しました。四隅には釘跡が確認できます。
上面の板材を取上げた状態です。丸い穴があり、穴の縁の部分は火を受けたためか黒く焦げています。
堤屋敷遺跡の東半部の完掘状況です。写真手前の赤いラインにSD溝跡、緑のラインがたくさんの遺物が出土したSD大溝跡です。
大溝跡(SD205)の遺物の出土状況です。
大溝から出土した木製の鍬(くわ)になります。三つに分かれている部分が耕耘で使う刃の部分で、柄をはめ込む一辺1.5cmほどの穴が開いています。
大溝跡の東側では、漆器の碗が出土しました。碗は良好な状態で残っており、内面に赤い漆が塗られているのが確認できます。
先週に続いて、西側で検出された溝跡(SD205)の掘り下げを行いました。溝跡は西側で北へ曲がって伸びています。
底面の砂層から漆器が出土しました。漆がはがれないようにまわりの土を慎重に取り除いていきます。
漆器のまわりの土を取り除いた状態です。直径9cmの皿で底に台があり、内外面に黒い漆が塗られています。
4区中央部に位置する竪穴式建物跡(ST253)です。長軸5.5m短軸3.5mで、底面からは2つの柱跡、その間からは焼土のまとまりが確認されました。
4区の大溝跡から出土した遺物の状況です。土層観察用のベルトを掘り下げると、内耳土鍋や石臼の破片が出土しました。
西側に伸びる大溝跡は、掘り起こされて上面が壊されています。トレンチを設定して確認すると、下層では大溝跡が良好に残っていました。
前の写真の下層で確認できた内耳土鍋の破片です。
4区北側の大溝跡は、土層観察用のベルトを残し、ほぼ掘り下げが完了しました。記録作業後にベルトの掘り下げに入ります。
大溝跡のベルトを掘り下げていくと、覆土の上面から下駄や刀の鍔(つば)が出土しました。
前の写真で出土した刀の鍔(つば)(RM164)です。直径5cm程で、透かしや彫刻等の装飾はみられませんでした。
先週に続き、4区北側の大溝跡の掘り下げを行いました。深さは約60cmほどで、やはり底面からも内耳土鍋の破片がまとまって出土します。
4区南側では、東西方向に伸びる2間×3間の掘立柱建物跡(SB225)が確認されました
4区の南側で検出した東西へと伸びる大溝(SD205)です。先週お伝えした溝跡と同じように内耳土鍋やすり鉢、石臼等が多く出土します。
21日(金)午後から、現地で調査説明会を行いました。地元の米沢市の皆さんを始め、約20名の方に参加をいただきました。
4区の東側で確認された大溝(SD168)です。以前お伝えした3区の大溝と並行する位置にあり、出土する遺物も内耳土鍋の破片がまとまって発見されました。
前の写真の大溝から室町時代の貨幣である永楽通宝(えいらくつうほう)が出土しました
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research