今週は、3・4区の記録作業とともに、まだ掘り切っていない遺構の補足調査を行いました。
3区の大型のフラスコ状土坑の底から、逆さに置かれた深鉢形土器が出土しました。この土坑からは、横倒しになった完形の深鉢形土器や、同じく逆さに置かれた浅鉢形土器が出土しました。
調査事務所の撤収に向けて、発掘器材や出土した遺物をセンターに搬送するために、トラックに積み込みました。
最後に、調査に携わった調査員と作業員一同で記念写真を撮りました。来週1週間、補足調査を行い、再来週から調査区の埋め戻しになります。調査に携わった関係者の皆さん、ご協力いただきたいへんありがとうございました!
10月29日に、仙台市地底森ミュージアム・縄文の森広場の職員、ならびにボランティアスタッフと市民文化財研究員の方々が、羽黒神社西遺跡第2次発掘調査の見学にいらっしゃいました。みなさん、大きなフラスコ状土坑をたいへん興味深く見学されていました。
3区と1区の境界付近に位置するフラスコ状土坑の中から、半分が原形をとどめている浅鉢形の土器が発見されました。
秋の深まりとともに、朝の霧もだいぶ深くなってきました。深い霧の中、空撮に向けての清掃作業を行いました。
ラジコンヘリによる遺跡の俯瞰撮影を行いました。
調査も、まもなく終了に向かいます。
3区の南側に柱、あるいはポール状のものを建てた際に掘られた穴の列が確認されました。穴の列の内側には、石囲い炉や焼土遺構などがあり、居住に関わる施設の跡の可能性があります。
3区の北西側にある大型フラスコ状土坑の下層から、大きな深鉢形土器が完形に近い形で出土しました。土坑内に入れられたあと、横倒しになって、さらに土をかぶせられたことが考えられます。
今週も、3区と4区の遺構の精査と記録作業を中心に調査を行いました。
3区の盛り土遺構からは、今年度の調査で最初となる土偶が発見されました。木が倒れて土壌が動かされた土の中から出土しましたが、ほぼ完形品でした。顔の表現がないのですが、胸やお尻が表現されていました。
3区の大型の土坑からは、やわらかい凝灰岩製の大きな石製品が出土しました。表面には、石器で削った痕跡が認められました。どのような性格のものであるのかは、今のところわかりません。
凝灰岩の石製品が出土した大型土坑の底には、掘削した際に残されたと思われる痕跡や、多数の規則的に斜めに並ぶ線条痕が認められました。線条痕は、掘削の際の痕跡なのか、あるいはムシロなどの敷物の痕跡なのでしょうか?いずれにしても、大型土坑の性格を知るうえでの大きなヒントとなる痕跡であると思われます。
今週は、調査区の中央に設定した、堆積層を調べるための中央ベルト(あぜ)、4区と5区のベルトを除去しました。
4区の中央ベルトの南側から、土器片を中心とする大量の遺物が出土しました。昨年度の調査でも、4区の南側では遺物が集中していることが判っていました。すなわち、これらの遺物は、昨年度発見された遺物集中部の続きと言えます。
3区と4区の遺構の精査と記録作業も、先週に引き続き行いました。
今週も、3区の遺構の掘下げと記録作業を中心に、調査を行いました。
昨年度の調査で、3区の南斜面には、3層のクロボク土層の上に、地山の土が乗った「盛り土遺構」があることがわかっていました。その盛り土遺構の盛り土層を掘り下げると、多数の土器や石器が残されていることが認められました。
3区の東側では、3基の小型のフラスコ状土坑が見つかりました。腹ばいになりながら、土坑内の堆積層を掘り下げました。
10日(土)には、羽黒神社西遺跡の第2次発掘調査の現地説明会を行いました。遺跡の近所にお住いの方々を中心に、およそ40名以上の見学者が来跡されました。丘陵の尾根に深く掘られた、約4,300年前のフラスコ状土坑について、みなさんたいへん興味津々の様子でした。
今週も3区と4区の遺構の精査と記録作業を中心に調査を行いました。これまでの調査で、3区と4区の南側に遺構が集中していることが判っています。
3区の西側の尾根上にあるフラスコ状土坑は、およそ深さが2.5mほどありました。中に炭火を入れていることや、壁の崩落と埋め立てを繰り返していることが判りました。
フラスコ状土坑の堆積状況を記録するために、図化作業を行いました。
5区の3層掘り下げでは、5区の東側に遺物が集中していたことが判りました。これらの遺物は、出土状態から、3区の南側斜面のものが5区のほうへ落ちてきた可能性が考えられます。
今週は、3区と4区の遺構の掘り下げと記録作業、5区の3層掘り下げを行いました。
4区では、多量の土器や石器とともに炭や焼けた土が密集する、直径1.5mの円形遺構が見つかりました。円形の範囲の中で火を焚いたのでしょうが、その目的などはまだ不明です。
3区のフラスコ状土坑がどのように埋まっていったのかを調べるために、フラスコ状土坑の縦半分を掘っていますが、深さが2mを超えました。埋まっていく過程で、焼けた炭を土坑の中に投入していた痕跡が見つかりました。
3区のフラスコ状土坑を人為的に埋めた堆積土から、半透明な黒曜石でできた2点の「異形石器」が発見されました。異形石器は、何に使われたのかはよくわかっていません。しかし、この遺跡で見つかっている「異形石器」を見ると、黒曜石や玉髄などのきれいな色をした石材で作られていますから、服に着ける飾りやアクセサリーのような使い方をしていたのかもしれません。
今週は、全国的な被害をもたらした大雨の影響で、調査時間が限られてしまいました。雨の上がった週末に、3区と4区の遺構の調査とその記録作業を行いました。
フラスコ状土坑の中に埋まった土を掘り出しています。このフラスコ状土坑は一度、南側が崩落した後、補修して再度使われていたことがわかりました。
フラスコ状土坑の近くで見つかった、中心部に焼土痕跡が認められる土坑です。中から土器片や石器がたくさん出土しました。
幅50cm、深さ60cm程度の土坑を埋めた土の中から、緑色凝灰岩製の小さな磨製石斧が発見されました。ほかにもいくつかの土器片が、埋め土の中から見つかっています。この土坑を埋める際、埋め土の中に、これらの遺物が混入したものと考えられます。
今週は、3区と4区で検出された遺構の精査と、東側の遺構検出を行いました。
調査区の東側では、2基の小型のフラスコ状土坑のほか、数カ所の火が焚かれたと考えられる、赤色に変化した土壌を確認しました。
フラスコ状土坑のなかに堆積した土層を半分掘り下げました。深さはすでに2m近くにまで達しています。土層を観察すると、土坑が埋められたり、天上が崩落したりしていることがわかりました。また、埋められた土の中からは、土器の破片や石器や大量の炭化物が混じっていることがわかりました。
フラスコ状土坑の内部から空を見上げた写真です。内部は広いのですが、開口部は狭くなっています。当時も土坑の内部からはこのような空が見えていたのでしょうか?
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research