「2017(H29)年度」カテゴリーアーカイブ

野田遺跡・下中瀬遺跡(8月28日~9月1日)


下中瀬遺跡の方形区画溝です(南東から撮影)。
調査区の西側で東西(SD29)、南北(SD18)方向の直交する深さ1m以上の溝跡が確認されました。これらは現水路とも並行しています。
一辺約20mの中近世屋敷跡の外郭部と考えられます。


こちらは方形区画内の北西角で発見されたSX41塚状遺構です。
平面方形に周溝が廻リ、中央部に土盛り痕跡が残っています。
墓坑と推測されるSK22に南側(写真上方)を壊されています。
方形区画内には塚や墓坑などがつくられており、祭祀的な性格の場所であったと考えられます。


SE31井戸跡の井戸枠出土状況です。SE31は、方形区画溝(SD18溝跡)より後に作られた直径1m前後の井戸跡です。3回以上の作り替えがあり、最も古いものは、深さ約1.5m下に縦板で組まれた井戸枠がありました。ただ井戸枠は、作り替えなどの際の埋土の土圧でかなり崩れています。

※今週で下中瀬遺跡の調査は終了しました。来週からは引き続き、野田遺跡の調査の様子をお伝えします。


八幡一遺跡第2次(8月28日~9月1日)


今週で約2か月に及んだ調査も終わりを迎えます。調査の最後は、アルミ製の足場を建てて、調査区全体の写真を撮ります。


隣で調査している八幡西遺跡と合同で発掘調査説明会を行いました。
青空の下、40名以上の方に来ていただきました。ご参加いただき、ありがとうございました。


最後になりましたが、この写真は空からドローンによって撮影された八幡一遺跡第2次調査区全体の様子です。写真上が北になります。井戸跡がクレーターのようにはっきり見えています。


野田遺跡・下中瀬遺跡(8月21日~8月25日)


下中瀬遺跡の調査区中央のSP31の木枠出土状況です。
直径約1mの中心部に小さな木枠を設ける遺構で、 SD18溝跡に重なっており、SD18よりも新しいものです。
この遺構は、大きさはやや違いますが、高畠町の大在家遺跡で発見された高札(江戸時代のお触書などを記した木の看板)の基礎部分などと類似しています。SP31は現代の集落の外れにあり、使われていた当時の立地などが注目されます。


先週お伝えしたSX22の底面付近の遺物出土状況です。
調査区西端の長さ約2mの長方形の遺構の底面から炭化した丸木や、ほぞ穴を開けた加工品などが出土しました


今週は、調査区中央のSK20やSD18付近の下層の遺構群を調査しました。溝跡や大型の土坑、ピットなどが確認されました。埋土や出土遺物などから平安時代のものと考えられます。


野田遺跡・下中瀬遺跡(8月14日~8月18日)


下中瀬遺跡の調査区西端で検出されたSX22の土層断面です。
長さ約2mの長方形の遺構で、炭が充満し、最下層には炭化した丸木が敷き詰められていました。古銭や櫛などが出土しており、遺構の性格としては、墓坑などが推測されます。


こちらは調査区中央で検出されたSK20の土層断面です。一辺の長さ約4mの正方形の大型土坑で、下層には炭が充満しています。底面から近世陶磁器や漆器、板材などが出土しました。


同じく下中瀬遺跡のSD16・18溝跡の調査風景です。
調査区中央の南北に並行する幅約2m以上の大型溝跡です。
SK20(ひとつ前の写真)より古く、中近世の溝跡と考えられます。
中近世の陶磁器や漆器、下駄、建築部材などが出土しています。


八幡一遺跡第2次(8月21日~8月25日)


今週も引き続き井戸跡を掘る作業です。上から掘り進め、掘り足りなかった側壁と合わせ2人掛かりの作業です。この穴も深くなりそうな予感です。


完掘した井戸跡です。底からは水が湧いているため、実際に使われていたと思われる井戸跡です。深さは3m40cmほどになります。


八幡西遺跡第2次(8月21日~8月25日)


こちらの写真では時期の異なる4つの遺構が重複しています。
遺構の重複が著しいと写真撮影や図面作成の回数が増えてしまうため、最小限に収めるよう、掘り下げの工程を工夫して撮影します。


1枚目の写真で手前に写る長方形土坑の底面で、漆器の椀が出土しました。重複の先後関係に加え、遺構の年代を推定できる重要な資料です。