「発掘調査速報」カテゴリーアーカイブ

作野遺跡(8月2日~8月3日)


SG1谷跡の谷底の遺物出土状況です。
谷底の中央部の細長い凹部の流路内に集中しています。


なかには、半分以上原形をとどめた縄文土器と共に、
写真左側に、長さ約30cm~40cmの折れた石棒が先端を下にして出土しました。
今回の調査で石棒や石刀は、斜めに立って出土することが多く、
お祭りの際に地面に突き刺したものかもしれません。


谷底の砂地にへばり付いて出土した縄文土器は、最も古い土器群の一つで、
縄文時代晩期の中頃(約2,500年前)と考えられます。
谷の周辺にはこの頃から人が住み始め、この時期の終わり頃(約2,300年前)には谷が埋没したようです。
約200年間に渡る当時の人々の生活品や装飾品の廃棄場、水辺のお祭りの場として利用された事が分かりました。
調査は今週で終了です。
谷跡からは、縄文土器や石器の他に、ヒスイ製の勾玉や玉、精巧な石刀や石棒、
土偶や土冠など当時の多様な遺物が出土し、大きな成果を得ることができました。


沼田2遺跡(8月2日~8月6日)


調査範囲に板を敷いて、長い道をつくっています。
キャリアダンプが通った時に、遺構を壊さないようにするためです。


溝跡を1cmの深さで掘り下げていきました。
土器や石器などが見つかっています。


一日の最後には、作業をした調査範囲にシートを掛けておきます。
これで雨が降っても大丈夫です。今週は特に暑く、作業が大変でした。
作業員の皆さんもお疲れ様でした。


北原4遺跡(8月2日~8月6日)


調査区内に残っていたサクランボの切り株を重機で運び出しています。


今週も暑いです。東の空を見上げると、雲がもくもくと湧いてきました。
夏の現場にふさわしい空です。


一列に並んで面整理を行っています。この日の最高気温は35度を超えました。
遺構を探すために慎重に地面を削っています。


清水遺跡(1)(8月2日~8月6日)


調査区全域の遺構検出が終わりました。
北側の斜面部分では竪穴住居跡が多く見つかっています。
中央の白い部分は火山灰と考えられます。
住居の年代を考える上で貴重な手がかりです。


検出した遺構は平板測量で図面に記録します。


遺構の掘り下げも同時進行で行なっています。
中央の溝跡からは土師器や須恵器など、平安時代の遺物が出土しています。


田向2遺跡(8月2日~8月6日)


古代の住居跡に堆積した土層を図化し、記録しました。


井戸跡の土層観察のために残していた堆積土を、掘り下げました。
井戸は人為的に埋められたことが、堆積土の観察から判明しました。


大型の竪穴内の土層について、写真撮影を行いました。


竪穴の壁が外側に傾いている、フラスコ状の穴であることが判りました。


田向遺跡(8月2日~8月6日)


いよいよ遺構の精査が始まりました。
遺構を十字に分割し、移植コテを用いて慎重に掘り下げていきます。


十字に分割した遺構を掘り下げていくと、写真のような状態になります。
その後、このような状態の遺構の写真を撮影したり、
土層断面の状態を観察し、土の堆積状況や色・質感等を記録していきます。


連日続く猛暑の中、熱中症には十分に注意して調査を行っていますが、
その中でも休憩時間に食べるスイカは格別で、みな美味しそうに食べ、
作業で失われた体力と水分を補給します。


西谷地b遺跡(8月2日~8月6日)


調査区の北側にある市道下の調査をする為、
その代わりとなる迂回路が完成しました。


B4区にある竪穴住居跡を調査しています。
この住居跡にはカマドが備え付けられています。


竪穴住居跡の掘り下げをしているところです。
みなさん慎重に掘り下げています。