「発掘調査速報」カテゴリーアーカイブ

野田遺跡・下中瀬遺跡(8月21日~8月25日)


下中瀬遺跡の調査区中央のSP31の木枠出土状況です。
直径約1mの中心部に小さな木枠を設ける遺構で、 SD18溝跡に重なっており、SD18よりも新しいものです。
この遺構は、大きさはやや違いますが、高畠町の大在家遺跡で発見された高札(江戸時代のお触書などを記した木の看板)の基礎部分などと類似しています。SP31は現代の集落の外れにあり、使われていた当時の立地などが注目されます。


先週お伝えしたSX22の底面付近の遺物出土状況です。
調査区西端の長さ約2mの長方形の遺構の底面から炭化した丸木や、ほぞ穴を開けた加工品などが出土しました


今週は、調査区中央のSK20やSD18付近の下層の遺構群を調査しました。溝跡や大型の土坑、ピットなどが確認されました。埋土や出土遺物などから平安時代のものと考えられます。


野田遺跡・下中瀬遺跡(8月14日~8月18日)


下中瀬遺跡の調査区西端で検出されたSX22の土層断面です。
長さ約2mの長方形の遺構で、炭が充満し、最下層には炭化した丸木が敷き詰められていました。古銭や櫛などが出土しており、遺構の性格としては、墓坑などが推測されます。


こちらは調査区中央で検出されたSK20の土層断面です。一辺の長さ約4mの正方形の大型土坑で、下層には炭が充満しています。底面から近世陶磁器や漆器、板材などが出土しました。


同じく下中瀬遺跡のSD16・18溝跡の調査風景です。
調査区中央の南北に並行する幅約2m以上の大型溝跡です。
SK20(ひとつ前の写真)より古く、中近世の溝跡と考えられます。
中近世の陶磁器や漆器、下駄、建築部材などが出土しています。


八幡一遺跡第2次(8月21日~8月25日)


今週も引き続き井戸跡を掘る作業です。上から掘り進め、掘り足りなかった側壁と合わせ2人掛かりの作業です。この穴も深くなりそうな予感です。


完掘した井戸跡です。底からは水が湧いているため、実際に使われていたと思われる井戸跡です。深さは3m40cmほどになります。


八幡西遺跡第2次(8月21日~8月25日)


こちらの写真では時期の異なる4つの遺構が重複しています。
遺構の重複が著しいと写真撮影や図面作成の回数が増えてしまうため、最小限に収めるよう、掘り下げの工程を工夫して撮影します。


1枚目の写真で手前に写る長方形土坑の底面で、漆器の椀が出土しました。重複の先後関係に加え、遺構の年代を推定できる重要な資料です。


山形城三の丸跡第20次(8月7日~8月10日)


今週も引き続き大手町の調査区西側の遺構検出を行いました。
厚く堆積した黒い土の下から黄色みを帯びた地山が見えてきました。


表土からは明治~昭和初期にかけてのガラス瓶も大量に見つかりました。うま味調味料の瓶が種類・数ともに最も多く、瓶の形から発売された時期がわかります。


八幡一遺跡第2次(8月7日~8月10日)


先々週から掘り続けていた井戸跡がようやく掘り終わりました。
底からは井戸枠(わく)の横木が見つかりました。
井戸跡の直径は約1.8m、深さは2.2mほどあります。


今週から東側の調査区で遺構(いこう)を掘り始めました。
ここでも3基ほど井戸跡が見つかりました。
昔の人々の努力の跡に頭が下がる思いです。