令和3年度発掘遺物速報~杉沢C遺跡第2次~

縄文時代と近世の遺構や遺物が確認された杉沢C遺跡(遊佐町)です。土器は地文である縄文だけが施された深鉢が多く出土しました。


この土器は後期前半の時期で、煮炊きに使っていたようです。大きさの割にとても薄く、縄文人の技術力の高さが感じられます。


杉沢C遺跡で出土した縄文土器には、小さなアナが空いているものがあります。土器に入ったヒビ割れが広がらないように、対になった穴をあけ紐などで結んで土器を修復した補修孔です。現代のSDGsのように縄文人も大事に使っていたようです。


縄文時代晩期の土器が多く出土している杉沢C遺跡ですが、今年度の調査では縄文時代後期(約4000年前)の土器がまとまって出土しました。沈線で入り組み状の文様を描き、中に縄文を施します。所々にポツポツ円形の刺突文が入れられています。


縄文土器の内側に黒褐色の塊が付着しています。おそらくアスファルトの可能性があります。庄内地方では天然のアスファルトが採れますが、接着剤として使うために持ち込んでいたのかもしれません。