既刊の「研究紀要」第8号(2016年3月刊)をWeb公開いたします。
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八幡一遺跡第2次(川西町)では、平成26年度の第1次調査区に隣接する地点で調査をおこないました。
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第2次調査区の空撮写真です。狭い範囲でしたが、井戸が多数見つかりました。ただし水が湧くものは少なく、本当に井戸だったのかどうか検討しなければなりません。
第2次調査で見つかった井戸です。深さは3mで、掘り上げるのがとても大変でした。図面を作成するのも大変なので、デジタルカメラで撮影した写真を使って3Dモデルを作成しました(写真右)。専用のソフトが必要ですが、今後普及していく技術だろうと思います。
第1次調査(平成26年度)で見つかった須恵器小型壺の底部破片です。底部に『佛法爲』と刻まれています。9世紀前半頃の土器であり、近くに仏教に関する施設があったことをうかがわせる出土品です。
国道112号の拡幅工事に伴う山形城三の丸跡の発掘調査は、大手町から城北町にかけての東西に長い範囲を平成23年度から毎年実施してきました。
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各調査区からは陶磁器を中心に多くの遺物が出土しており、現在は磁器の接合作業を進めています。
接合作業を終えた瀬戸美濃の陶器の一部です。奥は17世紀の天目茶碗と小型天目、18世紀の腰錆碗、手前は16世紀末の折縁皿です。
肥前の陶磁器も多く出土しました。奥は16世紀の青磁碗、16世紀末~17世紀初の皿、17世紀後半~18世紀初の刷毛目碗、手前は17世紀半~18世紀の染付です。
陶磁器類はおおむね16世紀末~20世紀初までの様々な産地や種類のものが大量に出土しました。整理作業を進めていくことで、当時の習俗や流通など暮らしの一端が見えてきました。
「山形県発掘調査速報会2017」の開催がいよいよ今週末に迫ってきました。当センターからも今年度に発掘調査した遺跡の発表があります。そこで、今週はそれらの遺跡の整理作業の様子をご紹介したいと思います。
野田遺跡・下中瀬遺跡(遊佐町)では塩づくりに使われた土器や、斎串(いぐし)と呼ばれる木製の道具が多く見つかりました。
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下中瀬遺跡では製塩土器の接合作業をおこなっています。製塩土器は海水を煮詰めて塩をつくるために使われた土器です。熱を受けているためもろく、バラバラの状態で出土するので、接合する面を探すのも大変です。
接合するものはチャコペンシルで印をつけたり、洗濯ばさみで仮どめをします。全体の形が見えてきたら、径などを計りながら接着剤でくっつけていきます。
こちらは野田遺跡で出土した斎串(いぐし)です。土坑の中からまとまって出土しました。斎串は古代のお祭りの道具で、頭部を山形に加工したり先端部を尖らせたりしています。