
暑い日差しの中、遺構検出作業を進めています。
影の濃さで日差しの強さが伝わってきます。

写真手前から奥にかけて、溝状の遺構が確認されました。
写真では確認できませんが、奥に須川が流れており、溝はその方向に流れが続いていたかもしれません。

確認された遺構は、白いロープを用いて形や大きさをわかりやすく示します。

川前2遺跡は上層と下層の2面が存在することが、事前の調査で確認されています。
今週はまず、下層まで重機で掘り下げる前に、人力で試掘トレンチを入れ、下層までの深さを確認しました。

週の後半からは、バックホウが調査区内に入り、下層の遺構が確認できる面まで土を掘り下げています。

今週はお盆休みや大雨の影響で、1日だけの活動でした。お盆休みも終わり、川前2遺跡の発掘調査もいよいよ折り返し地点です。

調査区の北側から検出された住居跡からは、炉(ろ)の跡が確認されました。

調査区のほかの場所からは、土器片がたくさん出土しました。
近くには炉(ろ)の跡も見られます。

土器片がまとまって出土しています。
土器の出土した様子がわかるよう、竹べらを用いて、土を取り除いています。

割れているものの、土器の破片がほぼ残っており、元の土器の形がわかります。
その土器の形からは、古墳時代の土師器(はじき)という焼き物であることがわかりました。

大学で考古学の専攻を希望する上山明新館の高校生が、川前2遺跡での発掘現場とセンター所内での整理作業を、2日間の日程で職場体験をしました。
はじめて手に触れる縄文土器や土偶に、興味津々の様子でした。

整理作業の体験では、土器や石器の接合作業にチャレンジしました。
発掘や整理作業の体験を通して、早くから考古学の実際を学ぶことができ、有意義だったようです。
山形を担う未来の考古学者に、期待したいですね。

これまでの調査により、奈良・平安時代の遺構検出面からさらに下層に、より古い痕跡が確認されました。
その深さまで、再度バックホウを用いて掘り下げています。
深いところでは約1m掘り下げました。

バックホウによる掘り下げが終わったところから、人手により地面を削り、遺構や遺物の存在を確認しています。

調査区の北側からは、溝跡と考えられる遺構がいくつも見つかっています。
また、連日の猛暑対策のために、テントで日陰を作りながら精査を進めています。

調査区の壁際から検出された住居跡です。
この住居跡からは、多くの炭化物が確認されています。
住居の時代は出土している土器の形とその特徴から、古墳時代であることが分かりました。

調査区の壁面をきれいに削っています。
遺跡を覆う土の堆積状況を確認するための大事な作業です。

連日暑い日がつづいていますが、負けずに調査を進めています。

溝跡の底面から土器片がたくさん出土しました。
持ち帰って破片をくっつけると元々の形を復元できそうです。

いま調査している面より下の地層から古い土器が発見されています。
そのため、深い穴の壁や床を断ち割って、下の地層がどのように堆積したのかを確認しています。
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research