
先週までの梅雨空から一転、真夏の空の下での作業となった一週間でした。
現場は連日かなりの高温となりました。

調査区はかつての馬見ヶ崎川の流路の中にあります。
堆積した砂の上に遺構があるためとても崩れやすく、土嚢で養生しながら調査を行っています。

先週抽出した掘立柱建物跡の写真を撮影しました。

この建物跡は長軸・短軸ともに2間(けん)と、八幡西遺跡では最も小さな建物です。

こちらの建物跡も全体は5×3間ですが、3間の母屋に二面廂(手前と奥)が付く構造です。

1区北側の川跡を掘り下げています。
川底付近から遺物が多く出土しています。

川底から円面硯と思われる破片が出土しました。
線刻による模様が刻まれているのが確認できます。

1区と2区の境にある竪穴住居跡のカマド脇から大量の土器が密集して出土しています。
甕(かめ)や小型壺、坏などが確認できました。

先週に引き続き、遺構の掘り下げを行いました。
深い遺構はおたまを使って掘り進めます。

土坑からは縄文時代後期はじめ頃の土器が出土しています。

縄文時代の終わり頃の土坑とみられる遺構もみつかっています。

12区の江戸時代の土坑の断面を計測し図面として記録しています。

断面の記録が終わった後に江戸時代の土坑を掘り下げました。
当時の磁器や灯明皿が見つかりました。

大手町の調査区にも測量用の杭を設置しました。
設置した杭は測量機器を据える際や図面を作成する際の基準として使用します。

遺構の掘り下げをはじめました。
この土坑からは18世紀の染付の碗や擂鉢が出土しています。

川西町の小中学校の先生方が、地域の歴史に理解を深める目的で研修に来られました。

この日は東北地方で梅雨明けが宣言され、炎天下の現場では発掘作業も体験してもらいました。

今週は建築史の専門家を現場に招き、掘立柱建物を構成する柱穴群の抽出をお願いしました。
同一建物の抽出には、上部構造の専門的な知識が必要になります。

3区の南中央部付近から掘立柱建物跡と思われる柱穴が見つかりました。

長軸は3間、短軸は最低2間の建物跡と考えられます。

1区と2区の境にある竪穴住居のカマドです。
燃焼部と思われる中央部には焼土や土器片などが多く含まれています。
8月20日(土)に八幡西遺跡の発掘調査説明会を行います。
古代から近世の掘立柱建物や井戸、区画溝など多くの遺構が見つかりました。遺物は、古代の土師器や須恵器、中世陶器などが出土しています。

大型の掘立柱建物跡。

井戸跡を掘り下げている様子。
調査説明会案内(PDF)
日時:平成28年8月20日(土) 14:00~(雨天決行)
調査遺跡:八幡西遺跡
場所:川西町西大塚字八幡西(地図)

上山南中学校の男子2名が3日間の職場体験を行いました。
初日は、ブラシを使って、土器についた土を洗い落とす洗浄作業です。

2日目には、市の広報課で職場体験をしている同級生が、仕事の様子を取材にきました。
照れながらも、インタビューに答えています。

3日目は、土器の接合作業です。
約4,400年前のバラバラに割れた縄文土器のくっつく部分を探していきます。

最後は、職場体験の記念に勾玉をつくりました。
硬い琥珀を根気よく紙ヤスリで削っていきます。
3日間ご苦労様でした。
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research