先週に引き続き遺物包含層を掘り下げました。
遺物包含層からは、続々と土器や石器などの、縄文時代前期の遺物が出土しました。
写真は、透明感のある深緑色のきれいな磨製石斧が出土した状況です。
調査区の北側では、約1m×5mの範囲に木炭が分布している遺構が発見されました。
その木炭が分布する範囲のなかで、100点以上の石器を作った際に出るカケラなどが、
約60cmの範囲に集中して出土しました。
これらの石器のほとんどは、焼けた痕跡が認められます。
写真は、石器の出土状況を、詳細に記録して取り上げている様子です。
『仙台市縄文の森広場』のスタッフとボランティアの方々が、
調査員の説明に熱心に耳を傾け、興味津々に遺物が出土する様子を見学されました。
左は「けつ(王へんに欠)状耳飾り」です。透明感のある深緑の石材で、翡翠(ひすい)と考えられます。
左は小型の磨製石斧です。これも、透明感のある深緑の石材で、蛇紋岩と思われます。
きれいな色をした石材を用いたこれらの遺物は、県内でも数が少なく、とても貴重なものです。
今回の発掘調査で出土した石器です。左端は、長さのある矢じりで、このような長い矢じりは、あまり例を見ません。
中央の2つは、「押出型ポイント」と呼ばれるもので、ナイフのように使う石器と考えられます。
右端は、蛇紋岩と思われる深緑色のきれいな磨製石斧です。なぜか、刃先の方が焼けています。
ラジコンヘリを飛ばし、上空から調査区全体を撮影しました。
東から撮影した写真です。
天気に恵まれ、遺跡周辺の浮沼集落、雪化粧した葉山もキレイに見えます。
石製模造品が出土した同じ遺構から、臼玉(うすだま)と思われる遺物が出土しました。
直径3mm程度、中心に穴が開いています。
ビーズ細工のようにとてもきれいな色をしています。
竪穴住居跡の完掘状況です。
写真の一角だけでも、10棟程度検出されています。
E-2区の調査区から古代の食器(内が黒い)が見つかりました。
E-2区の調査区です。
掘り下げを行ったところ竪穴住居跡が見つかりました。
21区の完掘状況の全景写真を撮影し、
5月から続いた今年度の馳上遺跡第4・5次、西谷地b遺跡第3次の発掘調査は終了です。
最終日には、トラックに調査器材や出土遺物を積込みました。
調査器材と出土遺物を合わせ、4トントラック1台分の容量です。
今年度の馳上遺跡第4・5次、西谷地b遺跡第3次の発掘調査を無事に終了することができました。
関係者・地域の皆様のご協力、ありがとうございました。
今週からは遺物包含層の掘り下げを開始しました。
捨て場と思われる場所からは、たくさんの土器や石器が出土しています。
ヘラ状木製品が完形の状態で出土しました。
いったい何に使われていたものなのでしょうか。
出土した遺物は測量、写真撮影の後に取り上げていきます。
足場も悪いため、撮影も一苦労です。
こちらは木製の皿の一部です。
残念ながら完全な状態ではありませんでした。
押出遺跡では土器や石器の他に、こういった木製品が良好な状態で出土してします。
天の晴れ間を縫って、空中からの撮影を.行いました。これは南からです。
今週で調査終了のため、遺物をまとめます。
終了日、これまで使用した器材を全員で運び出します。
11月13日をもって発掘作業終了となりました。
関係者、地域の皆様にお世話になりました。
SG6河川跡の現状です。
土を運ぶキャリアダンプの道部分を除いて掘り上げました。
写真撮影に向けて、遺構が集中する部分を優先に掃除を開始しました。
6,000㎡という広範囲の掃除はとても大変です。
大型の遺構(26号掘立柱建物跡)は、組立式のタワーの上から撮影します。
高い所から撮影すると、改めて遺構の大きさ・形がわかります。
A-2区の埋戻しが始まりました。
調査で掘り出した土を重機で戻しています。
調査区が広いので数日かかります。
E-2区の遺構検出状況です。
5月から始まった調査もこの調査区で最後になります。
井戸跡から折敷(おしき)と思われる遺物が見つかりました。
折敷とは、現代風に言い換えれば「木製ランチョンマット」となるでしょうか。
同じ井戸跡から漆器も見つかっており、セットで使用されていた可能性もあります。
多数検出した住居跡も、ほぼ完掘されました。。
それにともない、遺物の数が日を追うごとに増えています。
住居跡の一つから検出されたかまど跡です。
右の方に土師器の甕(かめ)がつぶれた状態で現れました。
接合すれば、ほぼ完全な形になるようです。
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research