
今年度も国道112号の拡幅にともなう山形城三の丸跡の調査が始まります。
発掘器材を現場に運び出し、いよいよ調査開始です。

調査区を二分して、まずは東側から調査を行います。
隣接する調査区には陶磁器類が大量に出土した溝があり、この調査区に続いていると考えています。

野田遺跡では、先週重機による表土除去が終了したため、本格的に遺構検出に入りました。
溝跡や井戸跡などが調査区西側から確認されました。

野田遺跡の井戸跡の様子です。
面整理により木枠のある井戸跡の掘方の大きさや平面形態も明らかになってきました。

下中瀬遺跡では、先週に引き続き遺構精査を行いました。
移植ベラや鎌を使って丁寧に掘り下げていきます。

溝(水路)の一角で、水場と考えられる方形の木組遺構が見つかりました。
木枠(側板)の内側に多量の陶磁器が取り残されています。

側板の外側には柱が方形に巡り、内側には炭化材も残っていました。
水場には上屋が架かっていたようです。

山形県立山形盲学校中学部の生徒さん3名が体験学習に来てくれました。
まずは縄文服を着て、縄文の女神像の前で記念撮影です。

火起こしに挑戦です。なかなか火がつかず苦労しましたが、最後には成功者も!皆さんよく頑張りました。

石器でクルミを割って、縄文クッキーを作りました。
香ばしくていいにおい!お味も好評でした。

本物の土器や石器に触れる貴重な体験。
形や大きさ、触り心地がそれぞれ違います。
用途や作られた時期によって、いろんな土器や石器があることを勉強しました。

下中瀬遺跡では、遺構の精査を行いました。
写真左側は高瀬川の土手です。下中瀬遺跡は川に隣接しており、どのような遺物が出るか楽しみです。

野田遺跡では、面整理作業を行いました。作業員が1列に並んで遺構の面を平らに削っています。
写真手前の箸を立てている箇所では、たくさんの遺物が出土しています。ブルーシートがかかっている部分では、木枠をもつ井戸跡が見つかりました。

井戸跡は平面が方形で(土の色が黒っぽくなっている部分)、井戸枠の縦板が顔をのぞかせています。平安時代のものと考えられます。

先週報告の濠(屋敷地の外周)を掘り下げた様子です。
奥に枝打ちされた丸木群(自然木)、中央の両岸に打込みの杭列、手前にはほぞ穴の開いた建築部材が残っていました。

丸木群のかたわら、斜面に平行して完形の灯明皿(ロクロかわらけ)が3枚出土しました。
濠を渡る小橋の上から投げ捨てられたのでしょうか。

下中瀬遺跡では、表土除去終了後に面整理を行いました。
写真手前の方では土器が出土しており、ピンポールや箸をたてて目印にしています。

こちらは野田遺跡の様子です。
写真右側は、重機で現代の表土を除去しています。
写真左側はその後に人力で古代の遺構の面を平滑にする面整理を行っています。

野田遺跡の面整理の際に古代の土器などと共に、縄文時代の黒曜石製の矢じりが出土しました。
黒曜石は産地が限られており、県内では月山周辺などでしか産出しない珍しい石材です。

遺構の掘り下げは2週目です。写真は屋敷地の区画と考えられる濠を掘り下げている様子です。

今週は県と町の教育委員会の担当者が現場を訪れ、
調査の進行状況と今後の調査の進め方について説明を行いました。

下中瀬遺跡から見た野田遺跡(写真奥)と調査事務所(写真手前)の遠景です。高瀬川を隔てた2ケ所の遺跡を調査するため、中間に事務所を置きました。両遺跡とも鳥海山が綺麗に見える古代の遺跡です。

野田遺跡の様子です。重機が入る前に調査区際を溝掘りして、遺構面までの深さを確認しています。

こちらは下中瀬遺跡です。現代の表土を重機で掘り下げて、遺構が確認できる面を出しています。

今週から遺構の掘り下げを始めました。
数がたくさんあるだけに、出だしから急ピッチで進めています。

包含層の遺物の取上げ枠として調査区にグリッド(格子)を設定します。
測量機器を使用し、作業員がグリッドの四隅に金属のピンを打ち込んでいきます。

ピンにはカラフルなポイントベース(明示板)を通し、グリッドの位置を書き込んで表示します。
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research