鶴ヶ岡城跡第4次(10月3日~7日)


土橋北半の掘り下げは終盤を迎え、一番低い位置に設置された土留め板の取り上げ作業を行いました。


杭を打ち込み背後に木の枝を横たえた”しがらみ”が、土圧で傾いた土留め板の裏に隠れていました。杭の頭は土橋のなかの深い位置にあり、丸石積みよりも古い構造物と考えられます。


しがらみを備えた黄色ラインの盛土の左側は、丸石積みの土橋(赤色ラインより上の右側)を構築する前の堀の堆積層で、黄色ライン盛土が古い時期の土橋の痕跡と考えられます。


原の内A遺跡第4次(10月3日~7日)


尾花沢市の原の内A遺跡の調査が始まりました。調査前に今後の計画や調査の進め方などを作業員の方に説明します。


調査区を設定した後、遺構が見える深さや、土層を確認するために調査区周縁をスコップを使い線掘りしていきます。


重機を使って、土置き場を整備します。水田の耕作土、床土、調査土を分けて置くための準備です。最初に耕作土を剝いで集めていきます。


鶴ヶ岡城跡第4次(9月26日~10月1日)


土橋北半の下層で確認された”しがらみ”の平面的な広がりを記録した後で、南北方向に断ち割って掘り下げを行いました。


しがらみより下は、大部分が写真右側から続く堀の堆積層と判明しました。土橋は、元々堀として広く掘削されていたところに、江戸時代のある時期に構築したものと考えられます。


土橋北端の土層断面です。上層は土留め板の脇に充填した土橋の盛土で、下層は土橋構築前に堆積した堀の砂層と考えられます。


『考古学お仕事体験』を開催します!(11月20日)

11月20日(日)に『考古学お仕事体験』を開催します。

山形埋文センターで実際に行っている考古学の整理作業を体験してみませんか?
あなたも一日考古学者に!!

チラシPDF

日時:令和4年11月20日(日)
⓵9:30~11:30 ⓶13:00~15:00
対象:小学生以上(小学校低学年は保護者同伴)
定員:各20名 ※先着順
参加費:無料
申込方法:講座名と参加者の【氏名・年齢・郵便番号・住所・電 話番号】を明記し、電話・FAX・Eメールのいずれかの方法でお申込み下さい。
締め切り:11月1日(火)必着 ※定員に達し次第締め切ります

問い合わせ・申し込み先
(公財)山形県埋蔵文化財センター
〒999-3246 山形県上山市中山字壁屋敷5608番地
TEL:023‐672‐5301 FAX:023‐672‐5586
mail:yac@yamagatamaibun.or.jp


鶴ヶ岡城跡第4次(9月20日~22日)


土橋の北半分について、記録をとりながら掘り下げを進めました。上層では盛土が比較的見られましたが、中層より下は丸石の積み上げを中心に構築しています。


写真中央の杭列より左側(土橋の本体部分)では、積み上げられた丸石を除去すると砂層になります。堀(写真右側)に面する杭列間では、下層近くにしがらみ状の小枝が広がります。


杭列の裏側には、積み上げた丸石が崩れないように横長の板材を6~7段重ねて立て据え、長細い板材を等間隔に立て並べています。板材は釘などで固定していないようです。


鶴ヶ岡城跡第4次(9月12日~16日)


先週のHPで紹介した近代の溝は、一部堀南岸まで及んでいます。写真左下の横木は動かされている可能性が高くなりましたが、この西側(写真右下)に攪乱されていない胴木の痕跡が残存していました。


馬出部分の東側には、近代の溝による破壊を辛うじて免れた土坑が確認されました。土層の堆積状況を記録したうえで覆土を掘り下げています。


近代の溝上層と近世の遺構を完掘した状況です。近代の溝の胴木付近で大きな金峯石が2つ見つかり、堀南側の上層で並んで出土した金峯石と一連のものかもしれません。