
礎石の根石を全て掘り上げました。いよいよ堀跡の調査に入ることができます。根石を埋めるために掘りこんだ穴の壁面や底面の土の状況から、堀の範囲が推定できます。

調査区を地中側から見てみました。土の柱のように見えるのが掘りこんだ穴です。土が黒っぽい範囲が堀跡と考えられます。堀にあたる部分は地盤が悪かったためか、より深く掘りこんで根石を入れていたようです。

西側の調査区でも堀の範囲や深さを確認するためのトレンチを設定しました。人が集まっているあたりで堀の西側の立ち上がりが見つかりました。写真手前側の調査区端まで堀が広がっているようです。

堀西側立ち上がり付近の最下層から白磁の皿が出土しました。この他、17世紀前半頃を上限とする陶磁器が出土しています。

5区北側の調査も終盤です。暑い中、遺構精査と記録をどんどん進めました。

近世の石組遺構の断面観察用ベルトを外していると、磁器の小皿が2点出土しました。

この遺構からは強い火をたいたあとと、それにつながる掘り込みがみつかっています。中からは鉄が溶けたかすが出土していますので、鉄を加工する施設ではないかと考えています。

川のあとのような場所からは、平安時代の土器の破片がたくさん出土し、当時の洪水で流された様子がうかがえます。
7月に入り出前授業もラストスパートです。
14校目は上山市立上山小学校。上山城の武家屋敷に囲まれた小学校です。

本物の土器や石器にはじめて触れます。同じ上山市内に埋蔵文化財センターがあることもはじめて知った子もいましたよ。

石器で野菜切りでは、みょうがの葉を切りました。
やっぱり普段使っている金属の包丁の方が使いやすいそうです。
暑い日が続きぐったりしていますが、
小学校の昼休み、子供達は元気に追いかけっこ。
出前授業13校目は山形市立滝山小学校です。

山形市内では児童数が3番目に多い学校で、6年生は116名4クラスです。開閉会の行事の司会から、クラスの誘導まで全部自分たちでしっかりこなしていました。

暑い中ですが、弓矢体験は大盛り上がり。お互い教え合いながら、動物たちを倒していました。

今週は5区北半分の遺構精査と記録作業を行いました。

遺構を半分掘って(半截)、図面や写真などに遺構の堆積状況を記録します。

記録が終わったら、残り半分も掘り下げます。

C区北の遺構検出状況を、ドローンを用いて撮影・記録しました。C区北では、縄文時代や平安時代の遺構が確認されています。

C区東に残る旧石器が出土する調査区では、旧石器が出土するローム層の上面に杭跡などの遺構が確認されたため、遺構の精査を行いました。

その旧石器の調査区からは、昨年度出土した県内最古の磨製石斧と同じ石材の石片が出土しました。石片の表面には研磨面が認められます。残念ながら、石斧と接合はしませんでしたが、水林下の地で、石斧のメンテナンスを行っていた可能性があります。

仮設土留工事のほか、調査区の環境整備を進めました。単管パイプで足場を組み、安全施設として仮囲いを設置しています。

電柱から電線を引き込んでコンセントボックスを設置しました。これで水中ポンプを使った調査区の排水が可能になります。

測量で使用する基準点の設置も実施しました。設置作業中は重機の振動等で誤差が生じないように、手掘りで表土を掘り下げています。

旧中学校の礎石の根固め石を掘り下げました。深いものでは5~60cmも掘りこまれていました。出土遺物や学校図面を精査したところ、前回お伝えした明治時代の荘内中学校ではなく、昭和14年に着工した鶴岡中学校に関係する遺構の可能性が高くなってきました。

石をベルトコンベアで流すと、石の落下音で授業の邪魔をしてしまいます。掘り出した石は一旦調査区内に仮置きしています。

石が溜まったところで、作業員、調査員が総出でベルトコンベアの一部となり、優しく石を搬出していきます。

今週も遺構の調査を進めています。ここからはおちゃわんのフタが出土しました。形をみると、今から1200年くらい前のものです。

遺構のある場所は、周囲の土と色や質感が違うことでわかります。手前の遺構は円形で、半分を調査しています。残りの半分の形がみえますか?
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research