
今週は柱穴の調査が中心となりました。ほとんどの柱穴は腐ったり抜かれたりして柱は残ってないのですが、いくつか柱が残っているものがあります。

今週調査した井戸跡です。井戸の底にはしっかりと曲物が残っていました。井戸を閉鎖したことを示す様に大きな石が数個入っていました。

遺構にさしている箸は「この遺構の図面をとってください」というサインです。

河川跡から木製品が出土しました(土層観察用アゼの部分)。何点あるか分かりますか。

出土した木製品を取りあげています。壊れやすいので、慎重に作業をします。

川前2遺跡ではクルミの最盛期を迎えています。いつも休憩に利用しているクルミの木からも、沢山の実が落下しています。拾った実は出前授業など、これからのセンターの様々な活動に利用される予定です。

古墳時代前期(4世紀前半)の住居跡の完掘状況です。4本の柱穴と炉跡が検出されました。

今週も古墳時代前期の土器(調査区中央付近)が多数出土しました。

そのアップ写真です。手前はほぼ完形の甕です。

4区の東側で確認された大溝(SD168)です。以前お伝えした3区の大溝と並行する位置にあり、出土する遺物も内耳土鍋の破片がまとまって発見されました。

前の写真の大溝から室町時代の貨幣である永楽通宝(えいらくつうほう)が出土しました

板材列をさらに掘り下げると、新たな板材が見えてきました。同じ列上と、それにほぼ直角に板材が出土しました。

現地説明会を行いました。今年度見つかった川跡や井戸跡、古墳時代の遺物包含層などの遺構と、出土した状態の遺物を見ていただきました。

台風の被害は最小限で済みましたが、やはり調査区の中には水が溜まっていました。水中ポンプで排水しているところです。

作業員さんが一生懸命に遺跡の中をきれいにした後、調査員が遺構の検出を行いました。

遺構の検出も終わり、作業員さんに組み立ててもらったタワーの上で、調査員が遺跡の全景写真を撮影しました。

岩崎遺跡の遺構検出状況の全景写真です。

塚状遺構が2基並んでいる状況です。調査区の先端に位置しているのがわかります。

上記の塚状遺構を反対側から見た様子です。断面図を取る為に分層がなされています。

細い溝が幾条も平行して出てきました。

土器の底の部分に文字が書かれています。
川前2遺跡の調査説明会を開催します。
ぜひご参加下さい。
日時 平成19年10月9日(火) 午後2時~
場所 集合場所・駐車場 埋蔵文化財センター現地事務所
(駐車については、駐車場担当者が誘導いたします)
説明会場:山形市大字中野目字赤坂(川前2遺跡)
成果
川前2遺跡は、古墳時代と奈良平安時代の集落跡です。今回の第3次調査では、古墳時代前期の竪穴住居跡や遺物包含層(土器集中区)、奈良・平安時代の竪穴住居跡や河川跡などが見つかり、古墳時代の土師器(壺・甕・器台・高坏)などが多数出土しました。特に古墳時代前期(4世紀代)のムラの様子が明らかとなり、儀礼などに関わったと思われる掘り込みを持たない土器の出土状況が随所で認められました。
備考
遺跡周辺は、工事用車両が多く通行し、危険ですので、説明会の集合場所・駐車場は埋蔵文化財センター現地事務所とさせていただきます。
川前2遺跡現地事務所 担当 小林圭一 ℡090-8424-1153
より大きな地図で 川前2遺跡 を表示
集合場所
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山形県上山市では毎年「全国かかし祭り」が開かれています。
当センターを多くの方に知ってもらうため、センター有志で初めて、かかしを出品しました。
舟形町西の前遺跡から出土した土偶をモデルにしています。なんと、日本かかし研究会長賞をいただきました。
かかし祭りは9月15日(土)から9月24日(月)まで、上山市民公園(上山市役所東側)で開催中です。

Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research