杉沢C遺跡第2次(8月22日~26日)


8月2~11日の発掘調査速報で紹介した土器の東側でも、縄文土器の広がりを確認しました。記録をとるため土器片を動かさないように丁寧に土を削っています。


東西3m×南北2mほどの範囲に、4~5つほどのまとまりに分かれて出土しました。記録後に取り上げると、30×20×10cmの角カゴ2つが土器片でいっぱいになりました。


深鉢の口の部分をいくつか抜き出してみました。縄文のほかに横線が施され、左上の破片では口のふちに刻みが加えられています。器の特徴から、縄文時代晩期後半(大洞C2~A式)のものと考えられます。


令和3年度「発掘体験!in杉沢C遺跡」(8月22日)

8月22日(日)に令和3年度「発掘体験!」が杉沢C遺跡(遊佐町)で行われました。

当日はあいにくの雨模様の中、地元の親子が中心の21名に参加していただきました。


まずは事務所で遺跡の説明や、昨年の出土遺物の見学です。


なんとか雨もあがり、いざ発掘現場へ。
まずは発掘の仕方を学びます。


実際に発掘体験です。
縄文土器が出土している区画を掘っていきます。


最初はなれない発掘道具に悪戦苦闘。
徐々に土の掘り方がわかってきました。


掘り進めると土器が見つかることも。
はじめての体験に興奮していたようでした。

せっかくの発掘体験ですが、再び雨が降り出し、予定の時間を短縮して終了としました。
天気の悪い中、参加していただいた皆様ありがとうございました。


水林下遺跡第2次(8月16日~20日)


C区東側の北寄りに残された遺構がないか、地面を薄く削りながら確認していきました。


17日には、秋田大学で火山学・火山地質学を研究されている、林信太郎先生が現場見学にいらっしゃいました。先生は、NHKの『ブラタモリ』の「十和田湖・奥入瀬」や「秋田編」・「男鹿半島編」で案内人を務められ、ココアやチョコを使って噴火実験をされた方として有名です。また、長年鳥海山のことについて研究されており、今回旧石器と鳥海山の火山活動との関係について、大変関心があるとのことでした。


杉沢C遺跡第2次(8月17日~20日)


遺構の掘り下げと土層堆積状況の記録を進めています。柱穴は柱痕跡の中心を通るように半分だけ掘って断面を確認します。


柱穴以外に用途不明の土坑も見つかっています。写真の土坑は、傾斜した底面に黒い土が薄く堆積した後、混じりの多い土で一気に埋め立てられています。


西側の調査区で確認された溝跡です。遺物は出土していませんが、昨年度調査した江戸時代以降の溝跡の延長線上にあり、一連の遺構と考えられます。


山形城三の丸跡第22次(8月18日~20日)


お盆が明け、調査を再開しました。2区の南側を調査していきます。連日の雨によって土の色の違いがはっきりとしており、遺構の検出が進みました。


検出した遺構を早速掘っていきます。今回の調査区では奈良・平安時代の遺物の出土が目立ちます。


水林下遺跡第2次(8月2日~6日)


C区西側に残された遺構について、精査を行い、遺構が埋まった過程やその構造、出土する遺物について詳しく調べ、記録作業を行いました。C区西側では、柱穴や土坑が数基確認されました。


C区西側の遺構精査が終わったため、C区西側全体の記録作業をドローンを用いて行いました。


ドローンで上空からの写真をたくさん撮影し、それらの写真から3D画像を作成しました。ドローンを用いた記録作業は、より効率的に、かつ正確な位置記録を行うことができます。


C区西側の記録作業が終わったのち、C区東側の遺構について精査を行いました。猛烈な炎天下での作業となりました。


山形城三の丸跡第22次(8月2日~11日)


今週も暑い日が続きました。その中でも作業は続きます。本格的に2区の調査に入りました、2区は南北2区画に分けて調査をしていきます。こちらは南側の調査区で面整理をしているところです。


こちらは北側の調査区になります。掘り下げを行っているのは溝もしくは整地層と考えられる遺構です。江戸時代の遺物が出土しました。


北側の調査区を完掘した状態です。後世の攪乱により、大部分が削られていました。また、3~10cmの石が広く堆積しており、遺構はあまり確認できませんでした。


杉沢C遺跡(8月2日~11日)


旧河道の遺物包含層から縄文土器がまとまって出土しました。土圧で押しつぶされたのか細かく砕けています。


土器のまとまりも3Dモデルを作成してから取り上げます。画像上部の青い四角は、解析用写真のカメラ位置と撮影方向を表しています。


完成した3Dモデルです。平面的な出土位置や高さの記録にとどまらず、土器片の傾きや重なり方など細部の出土状態をいろいろな角度から再確認できます。


杉沢C遺跡第2次(7月26日~30日)


遺構検出を終えた調査区の詳細な3Dモデルを作るため、空撮より低い高度で撮影を行ないました。4mの角材にコンパクトデジカメを取り付け、Wi-Fi接続したスマートフォンでシャッターを切ります。


約250㎡の調査区に対して、アングルを変え少しずつずらしながら撮った写真230枚をパソコンで解析しています。


完成した調査区の3Dモデルを真上から見た画像(上が北)で、左上は赤枠範囲を拡大したものです。柱穴の柱痕部分もはっきりわかります。この画像を下図にして遺構検出図が作成できます。


Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research