旧石器時代から近現代まで幅広い時代の調査成果が得られた水林下遺跡(遊佐町)です。

山形県内最古の磨製石斧が出土しました。約3.5~2.8万年前のもので、富山県と長野県境付近で産出する透閃石岩という石材です。再加工や過度の使用で元の形から大きく変わっていますが、磨いた面が残っています。

縄文土器も出土しています。縦に半分に割った竹で細かい格子状の文様が刻まれた土器片です。約5300年前の土器と思われます。

今回の調査では古代の竪穴住居跡も確認され、古代の土器も出土しています。写真は土師器の皿です。

調査では製塩土器も出土しています。塩を作るための土器で、大半は破片ですが、多く出土しています。海が近い水林下遺跡で、塩作りがされていたのでしょうか?
令和4年3月6日(日)に令和4年3月6日(日)に令和3年度山形県発掘調査速報会を遊学館にて開催しました。89名の来場者にお越しいただきありがとうございました。

埋文センターで報告した3遺跡について、出土した遺物を随時紹介していきます!
令和4年3月6日(日)に遊学館にて
『令和3年度 山形県発掘調査速報会』が開催されます。
今年度行われた県内各地の発掘調査についての発表があります。
皆様のご来場をお待ちしております。

【PDF】
日時:令和4年3月6日(日) 13:00~16:00(開場12:00)
会場:山形県生涯学習センター遊学館 2階ホール(山形市緑町1-2-36)[地図]
※お車の方は県営駐車場をご利用ください。入館時と退館時に1階総合案内受付に駐車券をご提示いただくと割引になります。
遺跡報告
令和3年度の県内の発掘調査概要
(山形県観光文化スポーツ部文化振興・文化財活用課)
史跡山形城跡(山形市)
山形城三の丸跡(公益財団法人山形県埋蔵文化財センター)
史跡舘山城跡(米沢市教育委員会)
駒籠楯跡(大石田町教育委員会)
水林下遺跡(公益財団法人山形県埋蔵文化財センター)
杉沢C遺跡(公益財団法人山形県埋蔵文化財センター)
紙上報告
史跡左沢楯山城跡(大江町教育委員会)
史跡慈恩寺関連遺跡(寒河江市教育委員会)
寒河江城三の丸跡(寒河江市教育委員会)
長岡南森遺跡(南陽市教育委員会)
大在家遺・高畑城跡(高畠町教育委員会)
米沢城跡(米沢市教育委員会)
威徳寺北遺跡(米沢市教育委員会)
主催:山形県・公益財団法人山形県埋蔵文化財センター
共催:山形市・米沢市教育委員会・大石田町教育委員会
問い合わせ先
公益財団法人 山形県埋蔵文化財センター
〒999-3246 上山市中山字壁屋敷5608番地
TEL:023-672-5301

県内の各市町村で行っている巡回展。今年度最後は河北町です。
河北町総合交流センター サハトべに花 展示室にて、
企画展『発掘された河北町の遺跡』を開催しています。
これまで発掘調査が行われた河北町の遺跡、6遺跡の遺物を
一挙公開です。
ぜひこの機会に河北町の歴史に触れてください。
[展示期間]
令和4年1月18日(火)~1月30日(日)※木曜日休館
[展示場所]
河北町総合交流センター サハトべに花 展示室
[ギャラリートーク]
令和4年1月23日(日)14:00~ 予約不要
リーフレット(PDF)
なお展示・ギャラリートークへお越しの際は
新型コロナウィルス感染対策にご協力をお願いします。
令和2年度 水林下遺跡 調査説明資料
令和3年度 水林下遺跡第2次 調査説明資料
を公開しました。
ぜひご覧ください!

今年度最後の出前授業は山形大学附属特別支援学校です。中等部の生徒たちが『大昔の人々のくらし』を勉強し、色々な体験活動を行いました。

数千年前に山形で暮らしていた縄文人が使っていた道具に実際に触れてみます。本物の縄文土器や石器に触れる貴重な体験になりました。

火起こし体験を行いました。最初はマイギリの使い方に悪戦苦闘しましたが、あっという間に使いこなしていました。さすが中学生、火が付きにくい冬場ですが、火を起こすことができました!

火災を想定した避難訓練を実施しました。火元を確認して出火場所と状況を連絡します。

館内アナウンスで火災発生を連絡のうえ、初期消火及び避難を呼びかけました。

出火に気づいた職員は直ちに初期消火に当たりました。

火災警報により閉鎖した防火戸の扉を抜けて避難しました。

逃げ遅れた人がいないか、持ち場を最終確認します。

この日はあいにくの雨模様だったため、室内に自衛消防本部を設置しました。人員点呼して全員の避難完了を確認しました。

今年度の調査が終わり、使った器材についた泥などの汚れを、丁寧に洗い落しました。

現場周辺の器材の撤収や農道の補修も終わり、旧石器が出土したC区東側を埋め戻しました。

最終日には、上山市にある埋蔵文化財センターへ搬入する器材をトラックに積み込みました。積み込んだのち、トラックは出発し、センターへと向かいました。

今年度のすべての作業が完了し、全員で労をねぎらいながら、解散となりました。水林下遺跡第2次発掘調査に携わった皆さま、そしてご協力いただいた皆さまに、御礼を申し上げます。

秋田大学の林信太郎先生が8月に続いて現場へお越しなり、鳥海山の火山噴出物の岩石や旧石器時代の石器が出たローム層などのサンプルを採取されました。

先週は雨やアラレが降ったりと、大荒れの天候の中の調査となりました。みんな、泥だらけになりながら頑張りました。

掘り下げ作業は、金曜の午前10時まで行いました。最後の最後まで石器が出土しました。今年度では300点余り、昨年度と合わせると450点近くの石器資料が採集されました。

掘り下げが終了したあとは、現場においてある器材の撤収や調査区の埋め戻しを行いました。今年度の調査も、残すはあと2日になりました。

雨が降る中、堆積層を観察するために残した土手状のベルトを崩していきました。

石器がたくさん出土した地点のそばのベルトの中からも、続々と石器が出土しました。

2000年に発覚した「前・中期旧石器ねつ造事件」ののちに行われた検証発掘では、埋め込まれた石器の下には埋め込んだ際に使用した工具の跡など、不自然な痕跡が残されていることがわかりました。そのため、水林下遺跡の調査では、ねつ造された石器ではないことを示すために、石器の下の跡形である「インプリント」の記録も行いました。

調査も終盤になり、遺跡の全景写真をドローンを使って撮影しました。掘る作業は、実質あと1週間ほどになりました。
Yamagata Prefectural Center for Archaeological Research